第4話【特別編~人生の友達~】

怪物と人間のハーフにされてしまった榊達6人は

誘拐され目覚めた時にいた部屋に監禁されていた。


しかし、誘拐された時にはなかったものが沢山あった。


例えば、扉の隣に大きな窓が設置されていて

そこから1日3回決まった時間に食事が運ばれ


扉で仕切られたトイレやお風呂もついていた。


また、日用品や生活用品などは食事が運ばれる窓から定期的に支給された。


生活するのには困ることはなかった。


しかし、自身に怪物の力があるという現実離れしているこの状況を受け入れずにいた6人はしばらくの間、一言も話さず、寝て、食事をして、寝て、を繰り返していた。


しかし、現実を受け入れ

これからの未来に希望を持とうと努力するようになった6人は

お互いに話すようになった。


「あ、あのさ、、俺たち、怪物と人間のハーフになったってことで、

いいんだよな、?」と1週間ぶりに言葉を発した榊。


それに続いて5人も話しだした。


「うん、。私は鬼って言われたんだけど、みんなそうなの?」


「いや、俺はヴァンパイアだ。」


「僕は九尾です。」


「ば、僕は、、雪女らしい、。」


「僕は天狗。」


「俺は狼男だとよ。」


と赤羽に言われた自身の能力の種類を言い合った。


「名前、」と海が小声で言うと


雷花が「そうだよ!名前とか年齢とか、紹介してこーよ。」と言い

自己紹介が始まった。


「俺は未華榊。18歳、高校3年生」


「私は黒崎暗、17歳。」


「僕は小三拓矢。同じく17歳、高校2年生です。」


「ぼ、僕は小山海、って言います、、。17歳、です、、。」


「僕は四輝雷花ー。16歳、ぴちぴちの高校1年生だよー。」


「俺は再桜純!歳は16だ!」


「全体の年齢層若すぎない?」と榊が言うと


「確かに。というか皆さんどこから誘拐されて

なんで誘拐されてしまったんですか?

、、、踏み込みすぎ、ですかね、?」と拓矢が5人の反応をうかがいながら聞くと


榊が「いや、俺は西嵐にいて、俺の親がお金欲しさに俺を売ったらしい。」


「私も西嵐から誘拐されたの。理由は、私もお金と引き換えに売られたの。

、、、施設職員に。」


「僕も西嵐から誘拐されました。

理由、というか、僕の場合は原因ですね。

教団員の人達が不審者に変装して、僕の学校に侵入してきて

僕はクラスメイトや教員から囮として出され、そのまま気絶させられて、。」


「ぼ、僕は、北華からです。

理由、は、海外で仕事をしている親の事業資金と引き換えに

売れれたらしい、です、。」


「僕は、西嵐から。僕も親に売られたー。」


「俺は南魁からで、理由は、先輩に呼ばれて行ったら仲間が倒れてて、

パニっくってたら頭殴られて気絶してそのまま、だな!」


とある程度お互いの事を知った6人はこれからの事について話し合った。


「とりあえず、僕たちを監禁してる、って感じだよねー。」


「というか、なんで飯の支給があの窓からなんだ?」


「それは多分俺たちが怪物の力を手に入れたけらだよ。」


「どういうこと?」と首を傾げる暗。


「教団員の人達は僕たちを怪物にしたはいいものの僕たちに対抗する手段は無い。

だからこの部屋に監禁しているんだと思います。」


「なるほどなー。つってもこれからどうすりゃいいんだよ。」


「これからの話をする前に、純さん、全ての防犯カメラを壊してくれますか?」


「いいけど、何で?」と不思議そうに聞くと


「会話などを監視されないためです。お願いできますか?」


「別にいいけど、、、いいのかよ、?」


「ばれたら、、大変なんじゃないです、か?」と海が聞くと、


「大丈夫だよ。ばれたとしても、俺たちに怯えて何もしてこないよ。」

と榊が答えた。


「なるほどな!それなら任せとけ!」といい、

部屋の各門に設置された4つの監視カメラを

狼男の身体能力を利用し、天井に設置されているカメラに向かって飛び掛かり

大きい爪で床にたたきつけ粉々に粉砕した。


「ありがとうございます。、、、これから、僕たちは自身の能力を理解し

鍛える必要があると思うんです。」


「そうだな。それと、せっかくだし、仲良くやっていこう。」と榊が笑顔で言うと


「なんでー?」と雷花が首を傾げた。


それに対し榊は

「今後どうなるかなんてわかんないけど、大体同じ境遇で、同じ環境下にいた者同士離れ離れになるその時まで仲良くやっていこうよ。、、、嫌なら、いいけど、な、!」と皆の顔色をうかがいながらそう答えた。


最初に暗が「うん、その方が気持ち的にも明るくなるかもだしね、、。」と言い


残りの4人も


「う、うん。僕なんかでよければ、仲良くしてほしいです、、!」


「なるほどー。うん!その方が楽しそう!!」


「おう!仲良くやっていこうぜ!」


「僕もその方がいいと思います。」と、続けて賛成した。



この日から

誰の監視も受けず、

自身の能力の訓練と

それぞれ、自分の置かれた状況を受け入れ


未来にあるかもしれない平和な日常にかすかな希望を抱いて一生懸命生きていた。



「暗はさ、なんで施設にいたの?」


「私が幼い時に事故で亡くなって、私には心臓の持病があったから

施設に入らざるを得なかったの。そういう榊は?

昨日話したときわざわざ寮のある高校に入学したって言ってたけど、なんで?」


「親から虐待、受けてて、それがいやで、、。」


「そう、だったんだ。」


「なんかさ、ここ最近がやばかったから、、この生活が、幸せに感じる、

というか幸せだな。」


「ちょっとわかるかも。」


「でもー、もっと幸せな生活、送りたいよねー。」


「雷花、、、それは、思うけど、、そんな未来、あるのかな?」


「ネガティブだなー。もっと楽に考えようぜ!俺みたいにな!」


「あなたの場合はただ馬鹿なだけだと思いますが。」


「なんだと!」


「ふ、あははは!」


「さ、榊さん?」


「いや、楽しいなって。」


監禁されている中で6人はお互いに支えあう大切な存在になっていた。

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