リメイク・フェンス
学校の屋上のフェンスが新しく作り替えられた。
今までのフェンスは高さ2メートルで垂直に建てられていた。だが、今回新しく作り替えられたフェンスは高さ3メートルへと伸ばされ、先50センチメートルは内側に傾いている構造になっていた。
昼飯時、俺はいつものように弁当を持って屋上へと向かった。新しく立てられたフェンスの網に指を入れ、フェンスをガッチリと掴む。その瞬間、あの頃がフラッシュバックしたかのように目の前に少女の姿が見えた。心臓の鼓動は徐々に早くなっていく。
二週間前、一人の女子が屋上から飛び降りた。陰湿ないじめに遭い、最後に目に物を見せるために学校で自殺を図ったみたいだ。
もう少し早くこのフェンスができていれば、彼女が死ぬことはなかったかもしれない。いや、そんな可能性はない。だって、彼女が死んだからこのフェンスができたのだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます