第八夜:無彩色の楽園
ハワイ諸島近海で大爆発を起こした海底火山から、大量の軽石が噴出し、太平洋沿岸に漂着した。
各国は、この厄介者の処分に困り果てた。
そんな折、一人の科学者が軽石の画期的な用途と加工法を、発表した。
化石燃料に代替するエネルギー源、高い耐久性と加工性を持った建材、食料、薬剤等々……。
すると、人々は、我先にと軽石を集め出し、国を越えた争奪戦が始まった。
『灰色のダイヤ』と化した軽石は、あっという間に回収された。
欲に刈られた各国は、噴火を人工的に起こす愚行に走り、火山活動が連鎖していった。
地球は、瞬く間に噴煙でおおわれた。
「作戦は成功したようだな。地球の環境は、我々に適したものに変わった。
地球人には死の世界だが、我々にとっては楽園だ。」
(了)
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