第三夜:神様の願いごと

 昔々、神様が地上を旅していた時、泊まるところを探していると、道を挟んで二軒の家が建っていました。

 一方は、金持ちの家で、泊めてくれるように頼みましたが、神様のみすぼらしい姿を見て、断りました。

 もう一方の貧相な家に行くと、「それは、お困りでしょう。」と、快く泊めてくれました。

 翌朝、神様は、お礼に三つの願いごとを叶えてあげましょうと言いました。

 悩んだ末、貧乏人は、次の三つを、お願いしました。

 一、家を新しくして欲しい。

 二、飢えることがないようにして欲しい。

 三、争いが無い世の中にして欲しい。

 神様は、「三つ目の願いは、私の悲願でもあるが難しい。」と、申し訳なさそうに言いました。

 神様が去ると、金持ちは、貧乏人の生活ぶりの変化を妬み、殺してしまいました。

(了)

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