第15話
ある日、王子様とお妃が結婚することになりました。
しかし、結婚式の前に二人の顔合わせが行われることになりました。
しかしその時、王都では疫病が流行っておりとても外に出られる状況ではありません。
なのでお見合いのような形で行われました。
そしてその席で二人が初めて会った瞬間にお互いの気持ちに気づいたのか すぐに恋に落ちたようでお城の庭にあるバラ園で愛を語り合っています。
その様子を見ていた王様は安心したのでしょう。
ついに式を挙げる事を決めたのです。
こうなったらもう誰にも止められません。
すぐさま準備が始まりあっと言う間に終わってしまいました。
お城には沢山の人々がやってきます。
その中にはもちろん王子様のお嫁さん候補である お后になる人とその妹も来ていました。
しかしそんな中でも一人だけ浮いている娘がいました。
彼女は白鳥の姿を模した美しいドレスを着ており髪も艶やかな金髪です。
彼女こそが後に登場するオデット姫です。
彼女の周りだけが輝いて見えて周りの人々は目を奪われています。
しかしただ一人、王子だけは違いました。
他の女性とは違っているからこそ惹かれたのでしょう。
そうこうしているうちにいよいよ式の時間になってきました。
「さあ皆さん。どうぞこちらへ」
と案内され会場に入るとそこは教会のような場所ですが 真ん中が吹き抜けになっており上を見上げるとステンドグラスから差し込む光が 神々しさを放っているように思えました。
そして司祭が
「新郎、王子様。あなたはこの女、王女と結婚することを誓いますか?」
「はい。僕は彼女と添い遂げることをここに宣言します」
「続いて、新婦、王女。あなたもこの男、王子と結婚し共に歩むことを誓えるか?」
「はい。私は彼と永遠の絆を結びいつまでも支え続けていくことをここで約束いたしましょう」
「ならば、その証としてキスをしなさい」
というと王子はゆっくりと近づき唇を重ねようとしました。
そしていざ重なるその直前で横から
「ちょっと待った!」
と声が上がりました。
そちらに目をやるとそこにはなんと白鳥がいたのです。
「誰だ貴様は」
と王が言います。
「私はオデット姫。実はあなたにお願いがあって参りました」
「なんだ」
「私を妻にしてください」
「なに?どういうことだ」
「つまりこういうことです。今より遥か昔に一人の魔女がいましてね。その魔女が魔法で人間に変えてくれたんです。その期限が今日なのです。どうか助けてください。このままだと私の心臓が破裂してしまいます。もし断れば……わかりますよね?」
「ああ。わかった。好きにするが良い」
なんとオデット姫は現国王陛下と結婚し末永く幸せになったのでした。
めでたしめでたし?
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