卒業式
「えぇー、皆さんご卒業おめでとうございます。三年間色々、、、」
ガヤガヤガヤガヤ
今日は中学の卒業式である。校長やPTAのありがたいお話を聴いてる最中だ。
先生たちを見れば、泣いている先生がいたり、保護者席を見たら、カメラしか視界に写らない。
卒業式といえば、生徒の行事というより保護者の行事とは良く言ったものである。
「はぁ、もう卒業かぁ、、、 結局青春という青春出来なかったぜ、、、」
叶多は暇のあまりそんなことを呟いた
「あほじゃないの。あなたが青春出来ると思ったその前提に私は驚いてるわ。それより静かにしなさい。今は式の真っ只中よ。」
雫が睨みながらボソッと呟いた
「おまえだって「「黙りなさい」」、、、すません」
叶多は校長先生のありがたいお話より青春が出来なかったことへの絶望感にうちひしがれてるようだ。
そんな姿に雫はため息をつき、少し睨みつつ、目線を前に戻した
「以上で第111回 卒業式を終わります。」
「卒業生 退場」
……………………………………………………………
ガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
「卒業おめでとー」
「お前もな-」
教室に戻り、クラスメイトが雑談に花を咲かせている
「雫ちゃん!!卒業おめでと!!」
「ありがとう。あなたも卒業おめでとう」
「卒業しても私と友達で居てね!」
「えぇ、もちろん。」
本当に守られるのかよく分からない約束をしていると、雫の周りに人が集まってきた
「雫「雫さん「雫ちゃん「雫「雫ちゃん」
「そんな一斉に話しかけられても分からないわ。私は聖徳太子じゃないもの。」
ウフフ アハハ ウフフ アハハ
「はぁ、青春、、どこにいった、、青春、、」
「お前まだ言ってんのかよーバカだなー」
「お前知らないのか?プリ◯アは大体中学生なんだぞ。 つまりそういうことなんだよ。」
「いやどういうことだよ、プリ◯アは別に恋愛してないだろ。」
「分かってないなぁー」
雫の方では花が咲き、叶多の方では泥しかないような会話内容である
「にしてもこの学ランともおさらばかぁ、誰か第2ボタン貰ってくれよーー」
叶多は苦々しくそう叫んだ
「お前なら貰ってくれる女子居そうだけどな、、なんでお前はモテないのか、、」
本当に疑問そうに言ったのは一条 日向
「うるせぇーー!俺が知りてぇよ-、、」
この中学校では今の時代ブレザーが主流に対し、時代の流れに逆らい珍しく学ランであり、学ラン、卒業式、この組み合わせはもうお察しの通り第2ボタンの有無が重要になる
「雫ちゃんは第2ボタン誰かから貰わないの~?」
「バカ、雫はもう決まってるでしょ」
「い、いや、、叶多はそんなんじゃないし、、」
「あれー?私誰か言ってないんだけどなぁ~?」
「///、、、、嵌めたわね。」
コミュ力が高いかといわれればそんなことのない雫
何故人が集まるかというと、、、、
雫のクールな性格からちらちらでしゃばるこの抜けている所 ここが雫の好きな所ということなのは友人たちの秘密である。
「そんなことはないけどなー、、で貰うの?」
「別に、、、貰わないけど、、」
「良いのかなぁ、他の女の子が貰っても、、」
「、、、、、良いわよ」
「不満げだけどねぇー」
「あっちは花が咲いてるなぁ、目の保養、目の保養」
「そうだなーー」
「今日は晴れてるなー」
「そうだなーー」
「雫さんは可愛いな-」
「そうだなーー、、、、、ばっばか!」
叶多は高校デビューをどうやってするかと下らないことを考えてたせいで上の空であった、、
「でも雫さんが可愛いのは事実だろ?あんなに可愛い人俺見たことないぞ」
「まぁ、それはそうかもしれないけど」
「素直じゃないなぁー、幼馴染みなんだろ??仲良いんじゃないのか?」
「案外そんなことないぞ。幼馴染みに幻想抱きすぎだ。このオタクめ」
「まぁ、オタクは認めるが、、、、雫さんを見る感じそんなことないと思うが、、、」
「なんか言った?「なんでもない」そっか」
卒業式が終わり、ある程度雑談も済んだところに、担任の先生が教室にやってきた。
「みなさん、グスッグスッ 卒業おめでとうございます」
センセーナイテルー ダレダヨーナカシタヤツー
叶多や雫のいるクラスの担任の先生
今年3年目で、初めて3年を受け持った先生である。
女性の先生でファンクラブがあるとかないとか
「私が泣いてるかどうかなんていいんですよ!」
「色々あったと思いますが、まずは!グラウンドで写真を撮りましょう!!」
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