KAC20241 3分以内が勝負♥️ひとり暮らしスナイパー、サインをねだるあの子を!

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 「あの子が、キター!」いつも、サインをねだりにくる女の子が、いてさ。萌えるぞ!

 「恋人募集中でひとり暮らしをはじめた、スナイパーな男」には、3分以内にやらなければならないことがあった。

 「プレゼントの箱を持って部屋にやってくる女の子に、3分以内に接してあげること。スナイパーらしく、ハートを撃ち抜くこと」

 これは、時間との戦いなのか?

 「ピンポーン」

 ひとり暮らしの、アパートのさ。

 玄関のインターホンが、鳴らされてさ。

 ふふ。

 女の子が、やってくることがあるだろう?

 …え?

 ない?

 そういうこと、ない?

 本当に?

 ピンポーン…。

 「キター!」

 男の部屋には、今日も、制服を着た女の子がやってきたようですよ?

 「いくぜ、俺!今日も、この子のハートを撃ち抜くんだ!」

 彼女が、男にサインをねだる。

 「…ここ。サイン、ください!」

 「ああ、はいはい」

 男は、喜んで、丁寧にサインを書いて渡してあげる。

 すると、その子の顔がパアッと輝くんだとか。

 スナイパーにとっては、相手のハートを撃ち抜けたことになるのか?

 「ありがとうございます!また、よろしくお願いしますね!」

 おお!

 プレゼントの箱を、手渡されてさ。

 男は、もう、めろめろ気分さ。

 その子は、ニコニコして、どこかに去っていく。

 なお、この点には絶対に注意だ!

 「その子が現れるのは、 1度だけかもしれない」

 配達は、きびしい仕事だ。

 「…もしもし。家に帰ったら、不在票が入っていました。再配達を、お願いします!」

 再配達の苦労をわかっていない人ほど、平気で、電話連絡をする。

 お前が、取りにいけー!

 「お届けに、あがりました」

 「…あれ?いつもの子は、どうしたんですか?」

 「…いつもの子、ですか?」

 「ええ。あの…。サインをもらうと、喜んで、はしゃいでくれる子」

 「パートの子、でしょうか?」

 「え…」

 「私たちバブルな正社員とはちがって、労働時間、短いからねえ。もう、上がってもらいました」

 こういう出会いをしたくなかったら、再配達をさせるな!

 「 1度目で、受けとれ!」

 再配達から学ぶことって、多いよな。





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