第42話
「僕にファンクラブが?」
「あるはず。ほらこれ」
桜がスマホを見せてくれる。
匿名チャットアプリのDiscoldが開かれており、俺の写真が写っている。
「まじか...ちょっとはずかしいな」
「奏音ほどの美貌だししょうがないよ」
「ありがとう...?」
褒められたときの返しってあんまりわかんないよね
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「よろしゅーなぁ、あんた」
「ひっ...」
私と椛は盗撮の犯人をみつけ、尋問をしていた。
「私のかわいい弟を怖がらせて?ごめんなさいだけ?」
「ごめんなさい...ごめんなさい...」
「あんた、誤って許されると思っとんか?頭楽しそうやなぁ!!」
椛が殴打した音が部屋に響く。
「こんなやつ生かす価値ないわな。意味ないでこんなやつほんま」
「そうね。奏音にも会わせたくないわ」
「許してください...」
「奏音君は心が広いから許してくれるやろうな。でも私らは絶対許さへんで」
「そうね」
「こんなの…生徒会も風紀委員も黙ってないはず…です」
「あぁ?あんた生徒会と風紀委員が助けてくれる思っとるわけ?」
「残念だけど直接的に傷を与えていないし証拠もない。しかもあなたが先にやったことで生徒会も風紀委員も私たちを見逃すでしょうね」
抵抗が無駄だと言うことに気がついた相手は、目が虚になっていた。
「私…」
「なに?この期に及んでまだなにかあるの?」
「あなたたちに着替えのビデオ見せるので…許してくれませんか」
「「…え?」」
確か証拠のメモリーカードには何も写っていなかったはず…
「証拠のsdには何もなかったで?」
「あれはダミーで家に送信してるんです」
「へぇー、でもそんなんで許されるとでも?」
「ちょっとまちーや。1回みてみーひんか?」
椛が言う。
確かに奏音が小3のころから着替え姿も裸も見れてないし見たい…見たいけど…
「証拠の確認や。それだけやで」
と言いながら椛は目を輝かせている。ほんとは見たいだけでしょ。
「しょ、しょうがないわね。あなた、今見れるかしら」
「はい。携帯から」
そう言って携帯を取り出し…動画を再生し始めた。
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「ただいまー」
「「おかえりー」」
自分の不甲斐なさに腹が立ってしまう…
「どうしたの?なんか落ち込んでる?」
「いや…なんでもないよ」
「うん…なんでもないで…」
「その言い方は落ち込んでるじゃん」
はぁ…結局動画もらってきちゃって一回やっちゃったなんて奏音には言えないな…
「なんかあったら言ってね!二人の役に立ちたいから!」
「ありがと」
はぁ〜
はぁ
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