第41話

「奏音君、ちょっといいかね」


「はい?」


 お昼ご飯を食べ終わり、トイレに向かっている最中いきなり生徒会長に声をかけられた。


「昨日の件なんだが...」


「どうかしましたか?」


 なんか状況が悪化したとか...


「君が傷ついていないかと見に来たんだ。私の母は病院の委員長でね、よければカウンセラーでもなんでも呼べるが」


「いえいえそんな」


 ちょっとびっくりはしたがそんな精神に深く傷を負うほどではない。


「それならよかったが...無理はしないでくれよ。なにかあったらすぐ私に連絡をしてくれ」


「ありがとうございます」


 っていいながら俺連絡先知らないけど。


「あ、連絡先を交換していなかったか。交換しておこう」


 なんだこの人超能力者かよ。


「わかりました」














「ただいま~」


「「おかえり~」」


「トイレから戻ってる途中に生徒会長に捕まっちゃってさ」


「なんで?」


「昨日の盗撮カメラとかで」


「あーね」


「えっ?盗撮?」


 あ、華音はしらないんだ。


「男子更衣室に盗撮カメラがつけられててね」


「え?まじ?」


「おおまじ」


「え~...」


 まあそりゃそうだよなぁ。ふつうはそんな反応なはず。


「はぁ~...奏音君がそんな性被害に苦しんでるなんて...」


「いや別に苦しんではないけど」


「これは私たちがメンタルケアするしかない」


「いやだから苦しんでないって」


「大丈夫?話聞こうか?」


「ヤリモクやめてよ」


 どんどん慣れてきて冗談も言えるようになってきてうれしい。


「部活入ったらセクハラとかも増えてくるんじゃ?」


「気付かないかも」


「じゃあ例えば『夜ごはん行こうよ』とかいわれたら?」


「時間が空いてれば行くかも」


 普通じゃん。むしろ女子に誘われたらうれしい。


「えぇ~...なら『肩凝ってるんじゃない?』って言われながら肩もまれるとか」


「スキンシップの一環じゃない?」


「こんなにコンプラを気にしない男子がいるのね...事実は小説より奇なりかも」


「普通の恋愛漫画でもコンプラ回避しながらいくもんね」


 はぁ~、世の男子はいったい何をしてるんだろう。


「そういえばなんか姉さんにファンクラブがあるらしいんだけど...」


「あぁ、ファンクラブねぇ...」


「二条お姉様とか生徒会長とかもファンクラブがあって美人だったりかわいかったりすると非公式ファンクラブっていうのができるんだよね」


「なんだそれ」


「隠し撮りとかしてそれを共有する...ファンコミュニティみたいなものだよ」


「へぇ~...僕にも作られるかな」


 冗談だけども。


「もうあるんじゃない?」


「え?」


「確かあるよ」


「ええ??」


 えええええ?????


__________


公開したと思ったのに...

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