第35話

「あれ、楓お姉様は?」


「見てないです」


 涼宮さんが戻ってきてそう聞いてきた。そういえば体験に来て一回もみてないな。忙しいのかな?


「へ、へぇ〜。とりあえず3on3の準備ができたからついてきてくれるかしら」


「はい」


 バスケ久しぶりすぎてソワソワするな。


「はいっ、わたくしたちのチームはわたくしと奏音くん、そして世奈さん」


 俺のチームだったのは確か同じA組の…市村さんだ市村さん。


「よろしく」


「よろしくね、市村さん」


 市村さんってバスケ部志望なんだな、なんか茶道部とか弓道部とかかと。


「じゃあ相手チームも準備できたみたいだし、やってみようか」


 そう言われたので位置につく。


ピーッ


 最初はこっちチームの攻撃だ。


「世奈ちゃん!」「はいっ!」


 なぜか俺にガードする人が2人もいるので俺のもとまで届かない。


「奏音様!」「えっ?!」


 今の状況で俺に渡す!?ボールは取れたけど難しいって!

 てか様付きで呼ばれなかった?空耳?

 涼宮さんに渡すか、普通に入れるのは無理だ。


「涼宮お姉様!」「はい!」


 涼宮さんは中3の先輩にガードをされているが、まぁいけるだろう。知らんけど。


 ピーッ


「よっし!」


 俺が点を入れたわけではないが少し嬉しい。

 攻守が変わる。なんかViiSportsのルールまんまかも。


 涼宮さんは同じく3年の人をガードしていて市村さんはボールを持っている人をガードいるので余った一人をガードしよう。


「美和ちゃん!」「はい!」


 俺がガードしている人にボールがまわる。

 くそ、ボール取れなかった。


「先輩!」「おけ!」


 むっず〜…

 やっぱ俺にはプレイヤーは務まらないな。


「よしっ!」


 涼宮さんがボールを奪った。攻守交代である。










ーーーーーーーーーー










 そんなこんなで3on3は終わった。

 一点も入れられなかったが久々のスポーツで楽しかったのでよしとしよう。


「奏音くん、なかなか上手だったわね」


「そうですか?ありがとうございます」


 最初は怖い先輩だと思っていたが優しい先輩そうだな。


キーンコーンカーンコーン


「もう部活体験終了時刻ね、また来てくれることを楽しみに待ってるわ」


「はいっ。それではまた」


 こうしてバスケ部の部活体験は終わった。





 …あれ?姉さんと今日会ったっけ?


「一条くーん!!」


 そんなことを考えていたら戸崎先生が走ってきた。


「どうしたんですか?」


「これから先時間ある?」


「全然大丈夫ですよ」


 家事もある程度やってるし。


「生徒会執行部室にきて欲しいのだけど…」


「僕がですか?」


 なんか呼ばれるようなことしたっけ…


「そう。ちょっとショックを受けるかもしれないけれど…」


 え、何々怖いんだけど

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る