第25話 ギルド認定試験開始
俺とエレナは闘技場は移動し、カイル、ミアは観客席で観覧している。
このギルド認定試験は週に1度行われ、1回の試験につき1人1回のみ受けることができるらしい。
みな冒険者はランクを上げるために何度も受けるようだ。
ちなみにこの世界の冒険者は星の数ほどいるが、Sランク冒険者となると、2桁ほどの人数しかいないという。
それだけ貴重な人材というわけだな。
ちなみに今日試験を受ける人数はさっきら絡んできた魔術学院卒のチンピラ3人と俺たち2人、その他に4人と合計9人だけのようだ。
『さーてさてさてさて!! 本日も行います、ギルゥゥゥゥド認定試験っ! 今日はどんなバトルが見れるのか!! どんなドラマが見れるのか!! 1秒も目が離せませんっ!! いつもお馴染みのギルド認定試験解説者リリアン・ウィズダムがお送り致しますゥゥゥ!! 』
なにやらテンション爆アゲの女性解説者みたいだな。
続いて彼女は、試験内容について放送し始めた。
試験は単純。
CランクモンスターからSランクモンスターまで順番に現れるので、どのランクまで倒すことができるかを判断するそうだ。
ちなみにそのモンスターは研究で生み出したクローンらしい。
Sランクに関してはそう簡単には作れないようだが、そもそもSランクを倒すものがほとんどいないため量産しなくていいとのこと。
『試験の順番は今からお配りする用紙に番号が書いてありまァァァァす!! 1番から順番に行いますので、それ以外は待機室でお待ちをォォ!!』
ちなみにエレナは3番、俺は6番だった。
どうでもいいが、俺らに絡んできたモブリーダーは5番らしい。
そしてその手下モブの2人は仲良く1番、2番だ。
そういうことなので俺たちは皆、待機室まで移動した。
部屋の広さは50人ほど入っても問題なさそう。
白ベースの部屋でテーブルや椅子も白色であり、認定試験が見れるモニターなんかもついてある。
「よぉ主様! なんでも言うこと聞く準備はできたか? 」
待機室で腰をかけた途端、モブリーダーが俺の近くまでやってきて、そう声をかけてきた。
「いや、モブリーダー……じゃなかった、リーダーなんだから子分の試合見てやれよ 」
「おい、誰が子分だ! 仲間だよ! それに、俺にはレオン・ブレイズフィストって名があるんだ! 」
えらいかっこいい名前だな。
たしかに見た目の話だけ言うとイケメンの分類だとは思う。
性格は少し……いやかなり悪いらしいが。
「ほら、こんな話してる間に仲間が勝ち上がってるぞ 」
単純な試験が故に進み方も早い。
子分AはすでにCランクモンスター、Bランクモンスターを倒したようだ。
モニター越しではあるが、少し息切れをしているように見える。
やはり連戦というものは疲れるのだろうか。
『早くもディラン選手!!Bランクモンスターのフェンリルを倒したァァァ! 続いて現れるのはAランクモンスター、《ストームワイバーン》だ! 強力な雷撃を放つドラゴンに対してどう戦うのか! 』
闘技場内に無数の雷を落としながらストームワイバーンは滑空している。
もちろん観客席には強固なバリアが張られているようで全く被害はでていない。
『なんと雷を避けながら、ストームワイバーンに近づいている!!! しかし敵は空の上!!ディラン選手、どう攻撃していくのか! おっと、あれは雷魔法【 サンダーストーム⠀】 だァァァ! ストームワイバーンに対して雷をぶち当てたァァ! そして無事Aランクモンスターをも倒しました! 』
モニター越しに、観客席から大きな拍手と歓声が聞こえてくる。
モブだと思っていたが、あのディランというやつまぁまぁ強いらしい。
やつもイケメンであり、モブとは言えど高貴な雰囲気を漂わせているから余計に腹立つな。
「みたか! ディランのやつストームワイバーンを倒したぞ! このままSランクまで昇格だ! はははははっ」
モブリーダーのレオンがそんなこと言っている間に次のモンスターが出てきたみたいだぞ。
『もはやAランク冒険者の名物……いや、登竜門とでもいいましょうか! 現れました、Sランクモンスター《アビスファントム》今このアルカナでこのモンスターを倒した姿、ここ数年見ておりません!! 』
明らかにヤバいやつがでてきた。
真っ黒な影で2m超の人の形を作っており、体表には無数の目が広がっている。
その目はあちらこちらを不気味なまでに観察しているように見え、やつ独特のオーラが身体から放たれている。
『戦闘が始まったァァァ! ディラン選手、呆然と立ち尽くしているようだ!! アビスファントム、彼の魔力を吸い取っています!! 』
ディランはアビスファントムの能力なのか宙に浮いている状態で魔力を吸い取られている。
その時点で彼はどうやら気を失っているようだ。
『これは! ディラン選手! ダウーーン! 』
……めちゃくちゃ強いじゃん
いや、ギルドの運営さんやりすぎでしょうよ。
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