第14話 お洒落はがまん
数週間が経ち、ハロウィーンの季節がやって来た。今日もまたお姉ちゃん家にやってきている。毎週来てしまって悪いと思っているけど、うちに呼ぶわけにはいかない。家から出てきた彼女は一段ときれいな格好をしていてつい
「可愛いかなあ?」
「すごい可愛いよ!」
「やったぁ。
「僕のお洒落だよね?」
まだ、紅葉も見えない夏のような暑さだが、今日はハロウィンの準備だ。というのも今度ハロウィンパーティーをすることになったのだ。お姉ちゃんやいとう……
「ん!」
服を差し出された。持っといてあげるのは別にいいし、受け取る。
「ん!」
腕を
「だ、ダメー!」
「びっくりしたー! 大丈夫だよ」
何が大丈夫なのか。顔を覆っていた手に涙が滲む。気づけば彼女は座って僕の顔を見ていた。僕は手を外し
「お、お、お姉ちゃん、は、ぼ、僕に、ハロウィンも、女装、してほしい、の?」
「嫌?」
嫌に決まってるだろうが。
「み、みんなの、前で?」
「うん」
「む、無理だよー」
「お姉ちゃんも一緒だよ!」
「ほんと!? じゃ、じゃあいいよ」
パシャリ
「ひゃっ」
盗撮は犯罪だよ。
「言うこと聞いてくれてありがとう」
頭を
「えーー!!」
出費五千円! お姉ちゃん、ううん雫が会計してくれて悪いと思って金額教えてもらって払ったんだけど、あれあんなに高かったの? 女子って怖い。パーティー一回にそんなにお金かけるんだ。僕はこういう機会がないから、たまにはいいかな、でどうにかなるけど……。恐るべし。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます