滅びの王国編
1話
長期休暇をはじめて5日。
あなたは爛れた愛欲の日々を送っていた。
4人で蕩けるほどに愛し合っても、まだ足りない。
カイラの家を訪ね、カイラと愛し合ったり。
レウナが泣いて許しを乞うほど登り詰めさせたり。
それでもなお足りずにサーン・ランドにまで行った。
久し振りにメアリともヤりたいし、積極的に主導権を握ろうとしてくるアトリに可愛がられよう!
そんな決意と共に出向き、あなたはメアリとレナイアと深く愛し合い、アトリにレナイアと共に可愛がられた……。
もちろん他のハンターズのメンバーも大事に可愛がった。
リンのものすごいおっぱいにレナイアと共に溺れ、キヨのやたら色気あるもてなしにレナイアと共に身悶えし。
モモロウとレナイアと共に、トモを死ぬほどイキ狂わせまくったり……。
「こいつごく当たり前のように参加してるのなんなん?」
モモが指差すのは、恍惚の表情を浮かべて気絶しているレナイアだ。横には同様に横たわるトモ。
学園のコウハイちゃんこと、レナイア・アルカソニア・イナシル・バトリー。
性欲に死ぬほど卑しく、女と寝るためなら土下座して懇願することにも躊躇しない見下げ果てた人間だ。
そんなレナイアの気絶の理由は単純で、極度の疲労と栄養失調だ。
すっかりと頬はこけているし、眼は落ちくぼんでいる。
元からそんなに大きくない胸もワンサイズダウン。あばら骨も浮いている。
なにせ、サーン・ランドの滞在はこれで3日目。
その間、ほぼ不眠不休でエロいことしまくっていたのだ。
あなたは体力的にはどうにでも都合をつけられる。
だが、レナイアはそうもいかない。
そもそも、レナイアは休める時も休もうとしなかった。
1on1をしたいとか言い出してあなたと絡み合っていたのだ。
3日3晩不眠不休でヤリ通しなんかしたら、普通は倒れもする。
「まぁ、いいや……なんやかんや4P楽しかったしな。トモちん女になっても女相手へたくそだから最近は欲求不満だったし……」
それはたしかに。
トモは女相手は三国一のへたくそと言っていたが。
たしかにアレは三国一のへたくそだった。
わざとやっているんだろう? と言いたくなるほど酷かった。
トモに攻撃されているのかと思ったくらいだ。
「男の時は無暗にブツでかいからな。それでやたら腰を早く振られると痛ぇのなんのって……なんで男のケツ相手にできることが、女にはできねぇんだ?」
などと首を傾げるモモ。
あなたはそう言う核心に近い情報を漏らすのは危険だと窘めた。
「ああ、ごめん。話変えようか。そっちの調子はどうだ?」
あなたはモモにソーラスでの冒険について語って聞かせた。
意外と長引きそうなので、現地に拠点を用立てたことなども。
「へぇ……あんたらEBTGは全員が成績優秀組だったのに苦戦してるのか。迷宮ってのはキチぃとこなんだな」
だが、その分だけやりがいもある。
迷宮を探索し、未知を解き明かす楽しさがある。
次の階層に到達できた時、知らない景色を見ることができる。
特にこの大陸の迷宮は、明らかに異常な魔法構造体だ。
顕著なのは3層だろうか。淡水魚と海水魚が同時に生息する滝壺があった。
地味だが、種々様々な貝類が同時に生息する湖底も凄かった。
ああした、普通ならば見られない景色の価値は実にすばらしい。
「へぇー……面白そうだから、俺らもそのうち迷宮とか潜ってみよっかな。近くにナムイーサとか言う迷宮あるらしいし……」
あなたもそれは聞いた覚えがある。
あまり深くない迷宮だそうで、多くのサーン・ランド冒険者学園の卒業生が目指す迷宮だ。
まぁ、探索者ギルドはまったくの実績なき冒険者の迷宮探索を認めない。
そのため、まずはその迷宮に入れるようになるのが目的になるというが……。
「しかし、家建てたのかー。新築祝いの時に呼んで欲しかった」
それは申し訳ないことをした。
とは言え、新築祝いなんて大層なことはしていないのだが。
「いや、友人の新居で家主よりも先に自慰するのが最高に気持ちいいって聞いたから、試してみようかと思ってたんだけどさ。家を新築するやつあんまいなくて」
なるほど、なかなかエキサイティングなプレイがお望みらしい。
あなたは今のところ新居では自分で自分を慰めたことはない。
なので、そのプレイ自体は可能だ。よければ今からくるかと尋ねた。
「お、いいの? いくいく」
レナイアとトモはどうしよう?
「いいよ、寝かしとけ。目が覚めてもレナイアがトモちん可愛がっておしまいだろ。レナイアはあのへたくそなトモちんともヤリたがる異常者だからな」
では着替えをして、行くとしよう。
あなたとモモは着替えをすると、『引き上げ』の魔法でソーラスへと転移した。
「おう、素朴な一軒家って感じだな。うん、いい家だ。家庭菜園も瑞々しく野菜たちが実ってんなぁ」
外観を眺め、モモがそのように評する。
丁寧に世話をしている果樹たちも生き生きと枝を伸ばしている。
特にリンゴの木はレウナのお気に入りで、よくその上に登って昼寝している姿を見かける。
「んじゃ、中入ろーぜ」
促され、あなたは家の扉を開けて中に入る。
あまり人の気配を感じないが、誰かはいるようだ。
あなたはリビングに入り、気配を感じるキッチンの方へ目線を向ける。
「ん、おかえり。すまんが朝食はもう食ってしまったぞ」
キッチンから顔を出したレウナがそのように告げて来た。
たしかに時刻的に、朝食の時間と言った頃合いだろうか。
あなたは食事は要らないと答え、新築祝いに友人が来てくれたのだと教えた。
「ほう、友人。どうせ女なのだろうが」
違う、と言いたかったが、今のモモは女である。
あなたは一応、男相手に友誼を結ぶ理性はあるのだが……。
そう思っていると、あなたの背後のモモが息を呑む音がした。
レウナもまた、モモの姿を見て驚いて目を見開いている。
「レウナちゃん……? レウナちゃんか!?」
モモがレウナの名を呼びながら、レウナへと駆け寄る。
その姿に、レウナが手を挙げて挨拶する。
「モモロウか、久しいな。この大陸にいたのか」
「まさかまた会えるなんて! 今日は白かぁ!」
「死ね」
駆け寄り、モモはそのままレウナのスカートを捲った。
そして、目の前でしゃがみ込むと、堂々と下着を覗き込んだ。
あなたももちろん覗き込んだ。全力で目をかっぴらいて覗いた。
あなたとモモの顔にレウナの蹴りがめり込んだ。やや痛い。
「いって! このキックのキレもレウナちゃんだな! いやぁ、いい乳してるね!」
そう言ってレウナの胸元に手を突っ込むモモ。最悪である。
「やめっ、触るなと言っているだろう! やめろ!」
「ケツも最高だよ!」
スカートの中に手を突っ込んで尻をまさぐるモモ。最悪である。
「やめろと言うのがわからんか! このっ、殺すぞ!」
「唇もかわいいね! んーちゅ!」
挙句の果てに無理やりキスまでした。最悪である。
「やめんかぁぁぁ!」
「わっははは、痛ぇ痛ぇ」
ついにキレたレウナがモモにナイフを突き刺した。
突然の惨劇に思わず目を瞠るが、モモロウは余裕な様子だった。
そして、レウナの手首を掴むと、そのまま引っこ抜いた。
モモロウの胸あたりから血が流れだしているところを見ると、普通に刺されたようだが……。
「いやぁ、レウナちゃんあいかわらず可愛いね。ちょっと乳揉んでケツ触ってキスしたくらいでそんな怒らないでくれよ」
「強姦一歩手前だぞ! くっ、このっ! 死ね! 死ねと言うに! 死ね!」
手にしたナイフでモモを刺そうとするレウナ。
普段からレウナが生活雑貨として使っているナイフだが、かなりの名品だ。
なにかの魔法の品らしく、サイズがある程度自由自在な上に切れ味も抜群。
当たり所さえ適切であれば、人間1人を殺すなど容易い殺傷力がある。
だが、レウナはまったく腕を動かせないままでいる。
モモがその凄まじい膂力で腕を完全に押し留めているのだ。
「くそっ! 見てないであなたも手伝ってくれ! この強姦野郎を殺す!」
あなたは野郎がやったなら手伝っていたが、女の子だからセーフと答えた。
「は!? こいつはたしかに可愛らしい顔をしているが男だぞ!」
そう言うレウナだが、そこでモモがパッと手を離した。
瞬間、レウナがナイフをモモの首に捻じ込みに行ったが、手刀で手首を叩かれてナイフを落とした。
「くそっ! 腕がもげたかと思ったぞ!」
「まぁまぁ、落ち着け。ほーら、俺のおっぱいだ」
モモが上着の前をはだけ、小ぶりながらもたしかに主張している乳房を曝け出す。
敏感で可愛らしい乳房で、可愛がるだけでたちまちメスになる女の子スイッチだ。
「……は? 待て待て。元からメス臭い男だと思っていたが、本当に女になったのか?」
「トモちんの浮気癖が酷くてな。アイツを去勢する代価としてコイツに処女を捧げたんだ」
「ああ、性が乱れている……」
などと嘆くレウナ。
交わす言葉は比較的口さがないものだ。
2人が知り合いだったとは知らなかった。
それも、こんなに親しい感じだとは。
「まぁ、名を挙げて話した覚えはないな……アルトスレアで冒険者同士の互助組織に属していたことがあってな。その時に会ったんだ」
「生きてたとは思わなかったよ。てっきり俺はレウナちゃんは死んだんだとばっかり……みんなにも教えてやらないとな」
「すまないが、私のことについては内密に頼む。いささか複雑な事情があってな」
「ああ、そうなの? いつ頃になったら話してもいい?」
「期間はなんとも言えない。まぁ、いずれわかる。いずれな」
「レウナちゃんも分かってねぇ感じだなこれ?」
親し気に話すモモとレウナ。
あなたはモモの肩に手を置いて、軽く握りしめた。
「ギャヒィーッ! ゴリラみてぇな力で肩が握り締められてるぁ! 俺なんか悪いことしましたか!」
先ほどのことは女の子同士だからまだセーフだと思う。
だが、あの手慣れた感じからすると、以前にもやっていただろう?
あなたはそう尋ねると、モモが顔を青くした。
「だ、だって! 謝罪金払えばセクハラも許してくれる子だったから! だからその、胸触ったりお尻揉んだりしてたけど、ちゃんと代金は払ってたから……!」
「許しているわけなかろうが! 一端横においてやっているだけだわ阿呆が!」
「スイマセン許してください! お金あげます! お金あげましゅからぁ!」
モモが必死で懇願するので、あなたは手を離す。
よく考えたらレウナは物凄い勢いで抵抗していた。
それを考えるとそれなりに報復もしていたのだろう。
って言うか、下手をしなくてもアレは殺人未遂だ。
セクハラの報復が殺害はちょっとやり過ぎである。
「はぁ、はぁ……すごいちからだった……マジで鉄の塊に肩押さえつけられてたみてぇだったんだけど……」
「ふん。まぁ、今回は大目に見てやるとする。で、おまえ何しに来たんだ? 新築祝いだったか?」
「ああ……そう、それ。新築祝い。で、家主より先に自慰すると気持ちいいらしいから、自慰させてもらいに来たんだわ」
「頭がおかしいのか?」
「あ、もしかしてレウナちゃんが既に自慰を……? 詳細聞かせてもらえる?」
あなたも詳しく教えて欲しいとレウナに詰め寄った。
レウナのグーがあなたとモモの頬に炸裂した。
「やかましいわ色情狂どもが! 貴様らと違って私は性欲の制御くらいできる!」
あなたは殴られた頬をさすりながら笑った。
モモと顔を見合わせると、モモもまた笑っていた。
「レウナちゃん性欲あるの! いいね! その報告だけで興奮する! 純潔の誓いとか言ってるから性欲ないのかと思ってたよ!」
あなたも全く同意見だ。
今までクールに見せていたレウナの中にもたしかな性欲がある……。
それはきっと、先日の愛撫で強く高められたことだろう。
レウナはきっと、あなたにベッドの中でされたことを思い出すことがあるのだ。
その情報だけでなかなか滾る! あなたはウヘウヘと笑った。
「私はもう疲れて来たぞ……!」
レウナが嘆く。
レウナは変なところに鬼畜の入った変人ではある。
だが、同時に常識や良識を弁えた善人でもある。
嘆くのも致し方なしと言うところだろうか。
あなたはレウナにとりあえずお茶にしようかと提案した。
お茶を飲んでクールダウンをしようではないか。
モモも、先ほどまで汗を掻くことをしていたので水分補給が必要だろう。
「お、いいねぇ」
「はぁ……まぁ、クールダウンは必要だな……積もる話もあることだ……」
あなたはせっかくだからアルトスレアの話など聞きたいところだ。
どうも、あなたの知らない間になにかすごいことが起きていそうだし。
「ああ、凄いこと起きたよ。星屑戦争と魔神大戦って大戦争起きてるから」
思った以上に物凄い変化が起きていたらしい。
この大陸に来る少し前あたりは、ナラカの攻略に凝っていた。
そのため、外界の情報は意図的に遮断している部分があり、他大陸の情報はまったく集めていなかったのだ。
意図して掻き集めない限り、別大陸の情報などまず入ってこないものだ。
「ま、座って話そうぜ」
あなたはモモの提案に頷き、着席して話すことにした。
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