第16話 少年
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セーマはオピスのおすすめの店に来ていた。
「着きましたよ。ここが私おすすめの鳥料理を扱っているお店です」
「なんか高そうなお店ですね…」
「お金は気にしないでください。私が払いますので。ああ、結局は経費で落ちるので本当に遠慮しないでくださいね?」
「わかりました」
そこまで言われたらさすがのセーマも遠慮ができない。セーマとオピスは店に入って注文をした。
「セーマ君、食事の後はどうしますか?何か行きたいところでもあります?」
「うーん結構色んなカークスも見ましたし…そうだ、本とか買いたいです!」
「そうですか。では、食べ終わったら近くの本屋にでも行きましょうか」
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―――
―
「いや~本当においしかったです!ありがとうございます、オピスさん!」
「いえ、お口に合ったなら良かったです。それでは本屋に行きましょうか」
セーマは再びオピスの案内に従って歩く。
「あれ?オピスさんこの店はなんですか?結構賑やかですけど…」
「あれはゲームセンターですね。にぎやかなのはシュミレーターがある所のようです」
「シュミレーター?」
「ええ。カークスを操作して対戦するゲームのようです。やってみますか?」
「いいんですか!?やってみたいです!」
「では行きましょう」
セーマとオピスはゲームセンターの中に入っていく。セーマはオピスから説明を聞き、コインを入れる。
ゲーム機はモートのコックピットを模して造られており、セーマの前にあるモニターに複数の機体が表示される。
「オピスさん、これは?」
「その中から機体を選んで戦います。機体はそれぞれ特徴が違うので、セーマ君の好みで決めて良いと思いますよ」
「うーん…あれ、クレーエもあるんですか?あれってまだ実戦投入されてないですよね?」
「ええ。ですがゲームとしてはそっちの方が面白いでしょう?安心してください。ゲームなので現実の機体とは少し違いますから。可変も素早いですよ」
「なるほど…オピスさんはどうするんですか?」
「それは戦う時のお楽しみにしましょう」
***
「さあて、僕はどれにしようかな~」
セーマはモニターのカークス選択画面を見る。
「モート、重装型モープキャノン、クレーエ…ハルモディアにテンシュカまで!?C・クローチもあるのか……しかも装備の選択肢も多いな…」
セーマが機体と装備を選択すると、オピスはもう選んでいたのかモニターにステージの風景が映る。同時にルールも映った。
「場所は第二採掘場。岩場が多くて遮蔽が多い…そして2回までなら撃破されてもリスポーンが可能…」
カークスが操作可能になる。セーマは自身が選んだクレーエを変形させ、戦闘機形態になって空へ飛び立つ。
(さて…オピスさんは多分ハルモディアかな?狙撃さえくらわなければこっちが有利のはず)
セーマはこちらを狙っているであろうオピスを見つけるため、周囲を見渡す。
「っ!?」
爆発。
続いてビームライフルの光がクレーエを掠める。
(ビームライフル!?ビームキャノンじゃない…それにバズーカはハルモディアは持てない筈…もしかしてハルモディアじゃない?)
セーマは混乱したまま地上へと降り立つ。
警告音。
「後ろっ」
セーマはビームソードを後ろに向かって薙ぐ。
「これは…テンシュカ!?」
その眼にはシールドに身を隠すテンシュカが立っていた。
(まずい…)
クレーエは体を真っ二つに斬られてしまった。
***
(さて…セーマ君を驚かすのには成功したでしょう)
オピスはテンシュカを岩場に隠す。
(それにしても、セーマ君の動きはやはりアストレアに乗っているときとは違いますね…アストレアに乗っているセーマ君ならもう少し攻防ができたはず…慣れない機体だからでしょうか…さて、そろそろ時間ですね)
セーマのクレーエが
(来た)
テンシュカがビームライフルのトリガーを引く。それはクレーエの体に当たるが、距離があった事に加え、ちょうどシールドの部分だったらしく撃墜はされていない。
クレーエはテンシュカの位置を把握したらしく、ミサイルを撃ち込んでくる。が、テンシュカが岩場に隠れたことで被弾はしない。
(さて、セーマ君はどうするでしょうか…恐らく今は変形を解いて滞空し、こちらが仕掛けるのを待っているでしょうが、このゲームは現実とは違って長時間滞空することはできません。セーマ君もそれは分かっているはず。ならば)
クレーエは再び空へ上がるためか岩場に降りようとする。その瞬間、その岩場が爆ぜる。
(着地の瞬間が一番隙だらけです)
***
(やられた…)
セーマの目には白煙をあげるバズーカを持ち、こちらを見ているテンシュカが映った。
(バランスを崩された…テンシュカは多分こっちに向かってくる。オピスさんのテンシュカ相手に近距離戦はまずい…急いで体勢を立て直さないと)
岩場から落とされ、地面に落下したクレーエが立ち上がる。セーマはクレーエを変形させ、この場から距離を取ることを選んだ。
「よし、なんとか空に上がれた!それじゃあ次は…」
クレーエがダメージを受ける。
「なっ!?」
クレーエは再び地面に墜とされた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
※オピスはこのゲームをそこそこやりこんでます。また、ご飯はオピスの自腹です。
テンシュカ(ゲーム)
最高速度へ達するのが早い。モートの上位互換と思われがちだが、武装が固定、当たり判定がデカい、一瞬で最高速度になるが故の操作性の悪さ、対カークス用大型ビーム刀「快晴」は一部のゲームモードでしか使えない等、上級者向けの機体。ちなみにとある皇女がよく使う機体はモート。
クレーエ(ゲーム)
戦闘機形態と人型形態を使い分けて戦うテクニカルなカークス。設計段階のデータをゲーム用に調整して実装された。戦闘機形態では長時間飛行が可能(空中で停止はできない)。人型形態では一部の性能がモートに劣る。翼の部分が攻撃されると戦闘機形態になれなくなる。
今回でゲーム終わらせる予定が3000字突破して尚終わらなそうだったので分けました。
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