歌を知らない男
@tnk17854
第1話 歌を知らない男
『月の光に照らされて』
『お日様の下、君と歩く』
『太陽の下で君が笑う』
『月明かりの中で僕は眠る』
『星空を見上げて君は祈る』
『君の涙を拭うよ』
『君を守りたいから』
『君だけを守る騎士になる』
『君といつまでも一緒にいるよ』
『いつまでもそばで笑っていて欲しい』
『君がいるだけで
耳障りだ
え?
何度も言わせるな
耳障りなんだよ、それ
そんなことを言われたのは初めてだ
皆、あたしの歌を気に入ってくれるのになあ…
歌…?
なんだそれ?
ごめん、あたしが下手で歌じゃないように聞こえたのならあやまるよ
そうじゃねえ
というかそういうもんなのかどうかもよくわかんねえが
その「歌」とやらはいったいなんなんだよ
驚いた
この人は歌を知らないんだ
歌とは生物が発する音の流れのことだよ
それに今みたいに言葉を乗せてメロディにするんだ
う~ん、説明としてはこんなところかなあ?
ほお…
しかしなんだってそんなことするんだ?
普通にしゃべりゃいいじゃねえか
だって歌を歌うことは、私にとってとても自然なことだもの
歌を歌うとねなんだか元気が湧いてくるんだ
歌を聴くのも好きなんだ
同じ言葉でも歌にのせて聞くとなにかいつもと違ううれしい感じがしてくるんだよ
ふーんそういうものかね
んじゃあ俺もお前に倣ってやってみるとするか
こんな感じか?
「よしよ~し♪よしよ~し♪いい子いい子♪今日は何食べた~の♪偉いね~♪♪」
あたしの歌っていったい……
歌を知らない男 @tnk17854
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
田尾監督/@tnk17854
★0 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます