夢ちゃんは現実の世界で俺と恋する夢を見る。

猫野 尻尾

第1話:夢の中の理想の彼女。

朝、目覚めて、ふと自分の横を見たら、そこに女の子が寝てたらどうする?

絶対ありえないようなことが現実に起こたとしたら?


まずは話に入る前に俺のプロフィールから紹介しとこうかな・・。


俺の名前は「夢野又 寛太ゆめのまた かんた

現在、某大学二年生・・・歳は20才。

身長は約、175センチくらい・・・最近は測ってないから、おおよそそんなもん。

まあ、見た目、中肉中背、可もなく不可もなく。


サークルにも参加せず、ひたすらバイトに明け暮れる毎日。


思春期と発情期真っ盛り。

脳内メーカー診断をやると、女とエロって文字で密集していると思う。


あとは家族構成・・・親父一人におふくろ一人、下に小生意気な妹が一人いる。

で、俺は上京していて現在一人暮らし・・・。


過去に「大楠 絵里おおくす えり」って同級生の子といい関係になりそうになったけど恋が

実ることはなかった。

だから今は付き合ってる彼女もいない。


そんなところか・・・。


で、ある朝のこと、昨夜カーテンを閉め忘れた俺は窓から差し込む日差しで

目を覚ました。

で、起きなきゃって思って、体を起こそうとしたら、俺の胸の上になにかが

乗っていることに気づく。


「なに?」


って見たら・・・柔らかそうで白い腕が俺の胸の上に乗ってる。

その白い腕を見て、あきらかに女だと思った。


そう思って、そのまま腕の持ち主を見たんだ。

俺のすぐ左横で、横顔だけで分かるくらいの可愛い女の子が、すやすや寝てる。


知らない女が寝てるんだよね。


え?夕べ、俺はバイト先の女の子をお持ち帰りしたのかと一瞬思ったんだけど、

別にナンパもしてないし、連れて帰ったって記憶もない。


じゃ〜この子は誰?

で、もう一度、その子をよ〜く見た俺は「あれ?」って思った・・・

見たことあるぞ、この子。

どこで見たんだっけ?

俺はその見たことある女を起こした。


その子は、眠そうに目を開けると、眩しそうに俺を見た。


その時、初めてその子の顔をはっきり見て、俺は「おおっ?」って思った。

その子が誰か、すぐに思い出したって言うか、分かったからだ。


俺はいったい、なにをしたんだ・・・なんでこの子がここにいる?


「おはよう、カンちゃん・・・」


「カンちゃんって・・・え?まあ俺の名前知ってて当然か?」


その子はたしかに俺の夢の中に出てくる俺の理想の女の子だったんだから・・・。


「あ・・・おはよう・・・」

「って言うか・・・君、俺の夢の中の女の子?・・・なのかな?・・・」


「そうだよ・・・」


俺は、布団をめくってしっかり彼女の頭から足まで見た。

まっぱだし・・・何も着てないし・・・。


「君のこと知ってるから誰?って言い方も変だけど・・・誰?」


「私?、だからカンちゃんの夢の中の女だよ・・・いつも私のこと思って

くれてるでしょ? 」


「でも、でもさ、こんなこと絶対ありえないだろ?・・・こんなこと現実に

あるわけないじゃないかよ」

「夢の中の子が夢から出てきて目の前にいるなんて・・・」

「たしかに俺は夢の中で君と会ってるし、君は俺の理想の子だけど・・・」


「だよね、私たち夢の中で会ってエッチだってしてるよ」


「え?それは覚えてないわ・・・」

「にしてもそれって夢の話だろ?・・・実際はなにもしてないし・・・」

「それはまあいいとして・・・どうやって夢の中の子が現実の世界に現れたのかってのが問題なんだよ」


「そんなこと、掘り下げたって意味ないでしょ」

「そういうこと何百年も考えてたって誰にも永久に分かんないよ」


「きっとカンちゃんの想いが強かったんだよ?」

「あなたの思いが募り募って私は夢の中から出ることができたんだと思うけど」


「いやいややっぱり夢だよ・・・ゆ・め・・・俺はまだ夢を見てるんだ」


「夢じゃないってば・・・」


「これってなにかのサプライズ?・・・俺になにか恨みでもあって騙してる?」

「どんな魂胆があってこんなことやってんだよ」

「僕をどうしようっての?」

「誰かの企みか?」

「俺をからかって楽しんでるのか?」


「被害妄想・・・からかったりしてないってば」


「もし夢なら、覚めてくれ・・・」


「まだ言ってる・・・これは夢なんかじゃなくて現実だからね」

「早く受け入れたほうがいいよ」


「拒否するなんて贅沢だよ・・・自分の理想の女が目の前にいるのに・・・」


つづく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る