囁き・7
はぁ、なんだかとても疲れたわ。
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この辺境惑星地球のウイルスにでもやられたのかしら? 寒気が止まらないわよ。拠点に戻ってきたけれど、ドラッグストアなんてところで薬でも買ってこようかしら。でも、そんな気力もないわ。だから辺境惑星は……
私達の世界では病気なんて概念は皆無に等しいのに……病気の兆候は、産まれる前の遺伝子検査で発見、改変、治療が可能なので、将来に渡って心配する必要なんてないのに、この世界の医療文明は停滞しているわね。
もちろん、ケガやちょっとしたウイルス病などの不測の事態には、誰でも持っているパーソナル・メディカル・スキャナーを使っての治療や、メディカル・レスキューセンターに行って全身をシンセティック・オーバライズ・スキャンをするだけで、この世界のほとんどの病気なんて治療、根治ができるのに、まったく辺境惑星地球のウイルスは盲点だったわよ。
んもぅ専用エレベーターが、なかなかこないわね。タワマンの最上階も考えものね。
えっ? 「大丈夫ですか?」ですって……ちょっと具合が悪くて……はぁ、良ければわたしの作った薬を飲みませんかですって?
あぁ、確かお隣りさんでしたね。たまにしかお見かけしないので、一瞬怪しい人かと思いましたわ。えっ? 信じてもらえないかもしれないけれど、元いた世界から、この世界に転移したですって?
(なんだか、私と同じような境遇だわ)
元の世界では薬屋だったので、これを飲めばすぐに治ります……じ、じゃぁ飲んでみるわね……それにしても、あなたもいろいろ大変だったわね……まぁ、私もこの世界の人間ではないのだけれどね。ここだけの話よ。
私はエリム・ノイヌーヴよ……あなたは? あら、いろいろ問題があるから名前は
わかったわ……お隣りのよしみと薬をくれたお礼に、私の拠点で甘いものでもご馳走するわ。
まぁ、そんなに瞳を輝かせて、可愛いわね。
あらっ、なんだか体が軽くなって、気分も良くなってきたわよ。あっ、やっとエレベーターがきたわね。なんだかお友達ができて、嬉しいわよ……これからもよろしくね……じゃぁ、行きましょうか。
これで、この世界で薬の心配はなくなってよかったわよ。
さぁこの次も、この世界のダメなところ
あなたのそばで……
囁いて……ア・ゲ・ル♡
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