囁き・5
新年あけましておめでとうございます?
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新たな1年が始まった事への挨拶の言葉ね。少しづつこの世界、この国の風習にもだいぶ慣れてきたわよ。
私の世界では「新年」を祝ったり、年末をしのぶ事はしないわね。唯一、祝うとすればエターナリンク星系同盟連邦の
私はまだその祝福は経験していないので、真偽のほどは、わからないわね。
それにしてもよ……この人混みは、なんなのかしらね。お正月くらい、ゆっくり休めばいいのに、この国の人間達は面白いわね。初売りだとか福袋だとか、非現実的な催しに行列したり、商品を奪い合うなんて滑稽で見ていられないわよ。
まったく騒々しくて情緒もあったものではないわね。家族団らん、家でゆっくりするのが、この国の風習ではなかったのかしら?
いつの間にか商業主義の
しょうがないから振袖着て初詣? なんていうこの国の行事につきあってあげたわ。
ま、まぁ、甘酒? おしるこ? おみくじ……悪くないわよ。甘いものは認めてあげるわ。
さて、拠点に帰ってカレーでも作ってMFゴーストでもイッキ観するわ。
少しは休みなさいよ……日本人。
さぁこの次も、この世界のダメなところ
あなたのそばで……
囁いて……ア・ゲ・ル♡
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アンドロメダリアン・エターナリンク星系同盟連邦惑星……ハイネロイヴィア宙域
強襲揚陸巡洋艦……アルテミア
「星系パトロール中、呼び出してすまない」
「いえ、問題ありません提督……それで、どのような緊急指令ですか?」
「実はエリム・ノイヌーヴS級特別執行官が、星系間テロリストを追跡、戦闘中に消息不明となった……おそらく、ダークフォールに呑み込まれたものと推測される」
「それは確かな情報ですか、提督……」
「彼女のエターナリンク・ファイターから発信された、エマージェンシーコールの微弱な信号をキャッチする事に成功した。既にこの星系には彼女は存在しないと我々は判断した」
「それで、エリムはどこに……」
「信号をトレース、解析した結果、この星系から1億光年離れた、太陽系という星系に彼女はいるかもしれないという結論に達した」
「噂に聞く、別の人類が生息しているとされる辺境星系ですか……足の速いアルテミアの星系間航行をもってしても、遠いですね……」
「無理は承知している……キミ達も彼女とはアカデミーで競い合った仲だ……このまま彼女を失うのはよくは思わないだろう。それに、我々にとっても優秀な彼女を失いたくはないのだ……」
「はい……提督……」
「では統合参謀指令部から正式な命令だ……」
「アーネ・イリア・クロイツェルンS級特別執行官及び、アーネ・リリア・クロイツェルンS級特別執行官はただちに、エリム・ノイヌーヴS級特別執行官の捜索及び救出の任務を現時刻をもって命令する……これは最優先事項であり、S級極秘命令である」
「了解しました提督……ただちに星系間航行シークエンスに移行、エリム・ノイヌーヴS級特別執行官の捜索及び救出に向かいます……」
「頼んだぞ……幸運を祈る」
「なんだよエリムのやつ、任務でつまづきやがって……あ〜あ、辺境星系とか超メンドーだなぁ〜……」
「そう愚痴らないでリリア……エリムとは幼い頃からの仲じゃない……友人でもあり、ライバルでもある彼女を放ってはおけないわよ……ここは、私達クロイツェルン姉妹がエリムを助けてあげましょう……それに、星系パトロールにも、ちょっと飽きていたし、辺境星系も面白いかもしれないわ……」
「まぁ、イリアがそう言うなら……」
「エリムを早く見つけて、彼女のダメなところ……その耳元で……」
『『囁いて……ア・ゲ・ルの♡』』
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