決断

24年連れ添った夫と昨年離婚をした。

「どうして、この人と結婚したのだろう」

いつからか、この想いは心の片隅に常にあった。


出会った頃は確かに好きになったはず

好きだったはずなんだけど……。


同棲5年、入籍するにあたって東京から夫の故郷へと引っ越してきた。

引っ越してきてからしょっちゅう喧嘩をするようになってその度に離婚したいと思うようになった。


元夫は自分の話はしても人の話は聞かないタイプで、考えたらずっと会話が成り立つことはなかったんだよね。出会った頃はこんな事なかったのにな。


普通に会話できる人と一緒になりたい、もっと向上心がある人を選べばよかった。

なんて結婚3年目くらいからはそんな事を思うようになっていた。


そんな事を思いながらいつの間にか時が過ぎ20年。


その間、いろんな事があった。

頼れる親はいないからと2人でなんとなく乗り越えてきたんだけれど、


愛犬小梅の死が私に決断をさせたんだと思う。

たぶん……。


この先、共に生きるのは無理だ。


離婚届を提出してまもなく一年が経つの、色々あって同居人として過ごしてたんだけど、


先日、元夫の勘違いから大きな喧嘩に発展した。

自分が貰ってきた書類がないといきなり怒り出す。


私はその書類に触れていない。

そんな書類があることすら知らない。


私がどこか違うところに置いたと決めつけて益々怒り出し、文句を言うと1リットルパックのお酒を床に叩きつけ中身が飛び散った。


「鈴やモッチが舐めたらどうするの!」


「ここは!俺の家や!」


呆れてなにも言えなくなった。


もうこれ以上ここにいたくない。

例え、鈴とモッチがいたとしても、もう限界だ。

この男と一つ屋根の下に暮らすことはもう嫌だ。


私は決めた。


この家を出る。



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