ストッキング教in異世界

玲音

第1話

  「うーん……」


  背後に痛みが走り、次に見ると剣が虚空を切り裂いていき、そして引き戻された。俺は即座に身を転じ、半歩下がり、なんとか俺に向けられた一撃を避ける。


  「アレックス!なぜ!」


  言葉が出ると同時に、火の玉がすでに目前に迫っていた。しかし、俺の後ろは絶壁で、もう後退の余地はなかった。避けるすべがないので、仕方なく両手を高く上げて防ぐことになった。


  『シー』という音と同時に、激しい痛みが広がる。右手全体が焼け焦げた。


  「メリア!」


  俺はアレックスの傍らに立つ仲間……いや、かつての仲間を見つめる。そして再び、俺にとって最も重要な幼なじみであり恋人でもある……


  「オリーブ……君もか……」


  彼女もアレックスの傍らに立ち、顔には悔恨の表情が浮かんでいる。そして、アレックスが突然手を伸ばし、オリーブを抱きしめた。


  「彼女も私の者だ!知らなかったのか?可哀想だな……」


  「オリーブ……」


  「私は……」


  「オリーブは高貴な仲間だ。」


  くそっ—————、なぜだ—————!


  「オリーブは私たち高貴な者と相応しい。」


  「彼女は高貴な我らの友、アレックス王子に相応しいのだ!」


  「自分の身の程知らずめ!」


  「彼女はただ哀れんでいるだけだ!」


  俺は他の者を無視し、ただオリーブだけを見つめる。彼女は顔を背け、俺の視線を避ける。そして視線を下へ移し、彼女も俺の視線に気づき、急いで右手で左手を隠す。しかし、一瞥するだけで十分だった。彼女の左手の薬指には、もはや俺が買ってあげた指輪ではない。


  「君は……」


  くそっ!くそっだ!結局人は信じられないのだ!前世は裏切られて滅ぼされ、今世は幼なじみの恋人を得て、共に歩んでいくと思っていたのに、生涯の最後まで、結局……


  俺は震える手で左手を差し出し、薬指の指輪を噛みしめ、引き抜き、彼女の前に吐き出す。オリーブは深呼吸し、悲しげな表情で指輪を拾い上げた。同時に、周囲の視線がオリーブがひざまずく中、俺は自分の魂のごく一部を細い糸に変え、唯一口を開いていない人、マリオンの身体に張り付けた。


  オリーブは指輪を握りしめ、立ち上がり、口を開いた、「私は……」


  しかし、俺は彼女の言葉を待たなかった。微笑みを浮かべ、俺は後方に倒れ込んだ。


  「ヴェーバー、やめてくれーーーー!」

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