天地壊拓～人類滅亡後の地下世界で出会ったのは、最恐の化け物と奇跡の宝石でした～

プロローグ

　人類は滅亡した。原因は20年前に発生した大災害【ワールドレイジ】だ。

　突如として地球全土を襲った超巨大地震を皮切りに、世界各地で津波や大火事が発生。各国の国交は完全に断絶し、あっという間に飢餓や疫病の蔓延も加速した。そして極めつけは、火山噴火で火山灰が空を覆った事に起因する氷河期の到来。この時点で全世界人口の8割は死滅し、文明は滅んだのだ。

　時を同じくして、世界各地の地割れから超巨大洞窟が発見された。その数は計12か所。氷河期を凌ぐために人類洞窟での生活を決意したのが、そこは地表の生物に酷似した凶悪な化け物【クリーチャー】が住む地獄の世界だった。人類が食物連鎖の頂点に立つ時代は終わりを告げ、たちまち「喰われる側」に成り下がったのだ。

　進むも地獄。戻るも地獄。そんな絶望の中、人類はこの洞窟の中だけに眠る奇跡の宝石の存在に気づく。あらゆる不可能を可能にする鉱石に全ての希望を託し、それを利用した【オブジェクト】と呼ばれる道具を開発した人類は、洞窟の中に再び文明を築き上げ、クリーチャーに立ち向かう事を決意したのだった────。

　これは血と闇に包まれ、数多の人々が涙を流すこの哀しき洞窟の中で、滅亡した世界を取り戻す為に、未来ある若者たちが命を賭けた冒険に出かける物語。

『天地壊拓～人類滅亡後の地下世界で眠っていたのは、最恐最悪の化け物と奇跡を起こす宝石でした～』