死にそこなう

桶星 榮美OKEHOSIーEMI

第1話 緊急性が無いのに救急車を呼ぶな!

これは桶星がマジで死に掛けた

世にも恐ろしい実話である

皆の者

最後まで読んで恐怖を味わうがいい!

(って何様だよ)


2023年8月某日

深夜

桶星は救急車の中に横たわっていた

いったい何が起きたのか

それは・・・


********


救急搬送される二日前から

食べ過ぎても無いのに何故かゲップが頻発

❝大腸に異常がある❞と察した

そして❝大腸癌かもしれないなぁ

秋の健康診断で追加検査しても~らおう❞

などとお気楽に考えていた

(この時点で桶星は可笑しい

 普通なら癌を疑ったのなら病院へ駆け込む)


そしてゲップが出始めて二日目の夜

息子から電話(息子、酔うと必ず電話してくる

 そして長いと二時間以上も話す、一方的に。

 桶星の話は全く聞かない!

 というか桶星の話は何時も

 酔っぱらって覚えていやがらない!チッ!)


息子との通話中

だんだん腹部が痛くなってきたのだが

痛みをこらえながら

母として息子の話を「うん、うん」

と聞いていた(なんて優しい桶星)

だが痛みは酷くなる一方で返事をするのも辛い

結局電話は二時間以上続き

通話が終了した時には0時を過ぎていた


❝これはあれだな、腸が癒着してるな

 風呂に入つて温めれば治るな❞

(軽い癒着は温めれば治りますが

 荒療法なので、よゐこはマネしないでね)

そして深夜1時に入浴

湯船に浸かった途端に腹に激痛が走る

❝あれ?これ温めたらまずかった⁈❞

更に痛みが増す


パジャマに着替え

❝寝たら治る❞とか考えちゃって横になる

しかし、痛みは更に増す

❝これはマズイ❞と気づく

そして救急相談センター#7119に電話

応対は看護師さんがしてくれた


桶星

「お腹が痛いんです」

相談センター

「いつからですか?」

桶星

「三時間くらい前からです」

相談センター

「どの辺が痛いですか?」

桶星

「ウッ・・・いま凄く痛いので・・・」

相談センター

「ゆっくりで良いですよ」

桶星

「はい・・・痛い・・・」

このあたりから痛みで息も絶え絶えになる


相談センター

「お話しできますか?」

桶星

「はい、下腹部の真ん中あたりが・・・」

相談センター

「ずいぶん痛そうですね?」

桶星

「痛い・・・です・・・」

(痛さには波があり、激痛の後に少し和らぐ)

相談センター

「救急車で病院へ行った方が良いです。

 ご自分で呼べますか?」

桶星

「むっ・・・無理・・・です」

相談センター

「それでは救急に電話を転送しますから

 そのままお待ちください」

桶星

「は・い・・・ありがとうございます」


電話はそのまま119番へと繋げられた


119番

「こちら消防です。救急車の要請ですね」

桶星

「はい」

119番

「ご家族ですか?ご本人ですか?」

桶星

「本人・です・・・」

119番

「住所をお願いします」

桶星

「〇〇区〇〇丁目〇〇番〇〇号

 〇〇マンション〇〇〇号室・・・です」

(救急要請した時の正しい住所の伝え方)

119番

「了解しました。これから救急車が向かいます

 携帯からお掛けですか?」

桶星

「・・・はい」

119番

「こちらから電話をする事がありますから」

桶星

「はい・・・」


❝パッパジャマで行くのは嫌じゃ

 着替えねば❞と痛みが和らいでいる間に

 必死に着替えた

そして校正係に電話をした

なぜかと言うと

校正係から誤字脱字チェックのLineが

何件も送られてきていたのだ


桶星

「お腹痛い、救急車呼んだ」

校正係

「えっ⁉うん分かった。気を付けてね」

桶星

「うん・・・」


普段は独り暮らしをのんびりと満喫し

いまさら同居人なんて作りたくないと思う

が、しかし!

こんな緊急時に独り暮らしは辛い

同居家族が居れば

やれ保険証だの財布だのと揃えてくれ

着替えにも手を貸し

救急車の誘導もしてくれる


腹は息が荒くなるほど痛みに耐えながら

保険証と財布をバックに入れ

玄関ドアの鍵を外して玄関前で

救急隊の到着を待った


そして来てくれた救急隊様達

だがストレッチャーが無い!

こんなに痛いのに二階から自力で歩く桶星

時折り襲う激痛で足を止めながら

手摺につかまり降りる階段・・・


やっと救急車に乗り搬送されるのを待つ

だがしかーし!受け入れ先が見つからない!

区内の病院ことごとく受け入れ拒否!

これぞ俗に言うザッたらい回し


一軒だけ桶星が断った

救急隊

「M病院でもいいですか・・・?」

その病院は夜はバイト医師しか居ない

(まぁ大概は夜勤医師はバイト)

手術も大きい病院から医師を招いてする

(小さい病院で難しい手術件数が多いのは

 バイト医師が執刀するからであり

 その病院の医師の手柄では無い)

そしてM病院は業界では低評価

同業者は絶対に行きません

ので桶星、即答した

「嫌です!」

そして動物的感で❝これはただ事では無い❞

と察していた桶星は

「MRIのある病院にしてください」

その言葉に救急隊員さん達の顔が曇り

「MRIが無いとダメですか?」

と言われて仕方なく

「いえ・・・無くてもいいです」

と答えてしまったチッ!


受け入れ病院を探している間

救急隊員さんに

「起きられますか?」

と問われ少し痛みが和らいでいたので

上半身を起き上がらせたら

背中の左右をトントン叩かれ

「痛みますか?」

と問われた

❝ああ、腎臓疾患のテストね❞と理解し

「痛く無い」

と答えた


(腎臓の場合、背中を叩くと激痛が走る)


そして若い救急隊員さんが右下腹部を押して

「これは痛みますか?」

と問うたが、そこは痛く無かった

(その時は痛みで冷静さを欠いていたが

 今思えばアッペ《虫垂炎・俗名盲腸炎》

 のテストだったのだけど

 もっと内側にグッと押し込んでから

 パッと手を放すんだよ!下手くそか!)


病院を探しいてる間に

校正係に再度電話

「いま救急車の中、病院を探してくれてる」

「頑張るんだよ!」

「うん。また連絡するね」


そして妹にも電話

「もしもし、どうしたの⁈」

と驚く妹

そりゃそうだ、時間は深夜2時56分だもの

何事⁉ってなるよなぁ

桶星

「お腹が痛くて、いま救急車の中なんだけど

 息子に何度電話しても出ない」

「わかった、私が連絡とるから」


そうなんですよ、バカ息子の奴

何回も電話しているのに出ない!

マジでムカつきましたよ(涙)


そしてある事に気付く

❝入院になったら手続きしないと・・・

 でも自分は痛くて無理・・・❞

そこで思いついたのが元夫(息子の実父)

同じ区内に住んでいる

役立たずのクズダメ男で

さんざん苦労させられた・・・から離婚した

こんな時に使わないでどうする!と電話


桶星

「こんな夜中にゴメンね

 いま救急車なんだけど息子と連絡取れなくて

 悪いんだけど病院へ付き合ってくれない?」

クズ男

「あぁ・・・わかった」


前代未聞、離婚した元夫を呼び出す桶星

妹は【多発性硬化症】なる難病患者なので

大事な妹には負担はかけられない

桶星家家訓【立ってる者は親でも使う】

だから元夫を使う!フッ我ながら強者つわものである。


そうこうしている間に

やっと病院が決まった

隣りの〇〇区にあるH・T病院

(区内の病院は全滅だったので区外の病院

 H・T病院は基本的に救急搬送は

 全て受け入れてくれるそうで

 有り難やぁ~である)


さあ、救急車は病院へGO!

だが救急車が揺れる度に振動で

お腹が痛い!痛いんじゃーー!


痛みに耐えながら

やっと辿り着いた救急外来!

救急隊員の皆様、ありがとー!


長くなるので今回はここまで

次回をおたのしみに~バイちゃ!

(あぁ鳥山先生・・・)



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る