知らない世界に AI

阿南

第1話



ある朝、普通の女子高生である真実(まこと)はパジャマ姿で慌てて下着姿でロープをはいていた。彼女の目の前には、何もないはずの壁があり、何かを探しているように動き回っているのだ。


「あれ、ここにあったはずなのに……」


真実は自室の壁に隠された秘密の場所にアクセスするために、いつものように魔法の鍵を使おうとしたのだが、鍵がどこに置いてあるのか見つからないのだ。


「真実、遅刻しそーだぞー!」


そう言って、真実の母親がドアをノックし、急かしてくる。


「お母さん、ちょっと鍵が見つからなくて……」


真実は困った表情で答えるものの、母親はあまり真剣な様子ではなく、呆れたように立ち去ってしまった。


「もう、いつものことだから。本当に忘れ物ばかりしないで欲しいわ」


真実はほっと息をつき、再び探し始める。そして、棚の奥にひょっこりと魔法の鍵が隠れているのを見つけた。


「やっと見つけた!」


その時、真実の手が鍵に触れる瞬間、周りに青い光が満ち始めた。真実は驚きながらも鍵を握りしめ、光のなかへと引き込まれてしまった。


気がつくと、真実は目を覚ました。そこには立派な学園の建物が広がっていた。彼女は美しい花壇に囲まれた校舎を見つめ、自分がどこにいるのか理解しようとしたが、まるで未知の世界に迷い込んだかのような錯覚を覚えた。


「私、いったいどこに来ちゃったんだろう……」


真実は困惑しながらも、とりあえず学園の中に入ることにした。しかし、中に入ると生徒たちが忙しそうに通り過ぎていく様子が目に入った。


「こんにちは!ちょっと質問があるんですけど……」


真実は声をかけようとしたが、周りは忙しそうで、誰も彼女のことに気づく様子がない。


「どうしたものか……」


真実はふと目をやると、廊下の一角にひとりの少年が立っているのに気付いた。彼は真実と同じく新入生のようで、一人でぼんやりと外を眺めている様子だった。


「もしかして、あの人に聞いてみようかな」


真実は迷わず少年のもとに歩み寄る。そして、声をかける。


「すみません、私、初めて来たんですけど、ここってどこの学園なんですか?」


少年は驚いたように振り返り、真実を見つめた。


第二回に続く

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