一.n回目の共同作業(1/3)
真夏の潮風が、マリンゴーグルを装着した俺の顔面に激しく衝突しながら通り過ぎていく。
「――ああ、問題無い。あの大きさなら、我々だけで対処可能だ」
前方に見える貨物船と、貨物船の船首部分に覆いかぶさるバージェスを注視しながら、無線機越しに現場の状況を本船に報告する。
「――以上だ。ではこれより、作戦を開始する」
俺は本船との通信を終えると、無線機をホルスターに収納し、時速80kmで航走中の水上オートバイと並泳する半身半蛇の
「キルステン、予定通り作戦決行だ。いつものように俺がトドメを刺すから、キルステンは
「分かった、任せて」
肩から上を海面から出して泳いでいるキルステンが、前方にいるバージェスを見据えたまま返事をする。しかし、すぐに俺の顔を一瞥すると、晴れ渡った空色の瞳を曇らせてこう釘を差してきた。
「鉄火、くれぐれも無茶はしないでね。どれだけ身体を鍛え抜き、技術を磨き上げたところで、あなたは
そう言うなり腰から2本の短剣を引き抜くと、速度をグンと上げて水上オートバイを追い抜き、体長30mはあろうというバージェスに一気に接近した。
「
キルステンが、
しなやかな筋肉の付いた両腕を胸の前で交差させ、あわや貨物船の内部に触手を伸ばそうとしていたバージェスに鋭い斬撃を浴びせた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます