第31話 順番は大事だよね

 今日はギルド長に呼ばれている。 ついてきた

マリンとラナをギルド併設の酒場に置いて、ギルド長の執務室に入る。

「いや〜、忙しいとこ、悪いね」

「そう思うなら、早めに要件をお願いします」

「こゃあ一本取られたね、要件だよねえ…」

どうやら先だって申請していた僕のゴールドランクの話がこの前の北の砦の殲滅の功績(調査隊により確認済み)により正式に認められたらしい。

ここノクチの街に十数年ぶりにゴールドランク冒険者が誕生することとなった。

「そういうことでギルド本部で行われる任命式に

 行って欲しいのだよ」

「本部って遠いんですか?」

「ああ、サキガワという大きな都市にあるんだが

 今は北の砦が無くなったのでその横の街道が使え

 るはずだから馬車で2日といったところかな」

「え〜、遠いなあ、シルバーランクでもいいです」

「おいおい、頼むよ、この街久方振りのゴールド

ランク冒険者ということで盛り上がってるからさ」

「僕には関係がないです」

「そんなこと言わずにさあ、…よし、市長に掛け合って一等地を与えよう、君は今、家を探しているんだよねえ」

「うううん」

「ねばるねえ、じゃあ、上モノも付けよう、10L

 LLDKK付きでどうだ!」

「のった〜っ!」

これでギルド本部に行くことが決定した。


執務室を出てまずはレオナさんの所へ行き、ゴールドランクの任命式に出る為にギルド本部へ行くことを説明した、昇格事態は喜んだが暫く会えなくなる寂しさは隠せない。

待たせていたマリンとラナと合流して次に向ったのは彫金工房だ。

ここにきた理由はマリンとラナ、そしてもう一人分の指輪を作ってもらうためだ。

指輪についてはマリンはどこまで理解してるかは

怪しいところだがラナはとても感激していた。

僕のことをご主人様と呼ぶようになったラナが

「ご主人様が私に指輪を作っていただけるのは大変嬉しいのですが……私はまだお情けを頂いておりません、どうぞお情けを…お願いします」

確かにラナを受け入れ指輪を渡すということは僕の

女にするということだ。

しかし、順番を間違える理由にはいかないな。

(不可抗力とはいえ、ミラノさんより先にマリンとそうなってしまった。そのうえ、ミラノさんより先にラナを抱く理由にはいかない)

「まずは指輪が出来るまで待ってくれ、必ず僕の

女にするから…」

「わかりました、その日を楽しみに待っております」

指輪の発注が終わったので宿へと戻った。

僕は用事があるから二人は各自の部屋で休むように

伝えたのだがマリンが納得しない。

2時間程で戻るからとお願いしてやっと開放される

マリンに1度捕まると1時間や2時間では終わらない…下手をすれば朝までコースだ。

僕には行かなければならない所があるから…。



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