第032話 特殊進化一択でしょ!!
進化先が二つあるってどういうことなんだ???
『進化には、通常の順当な進化である正統進化と、特殊な条件を満たした場合の特殊進化があります。複数の進化先がある場合、特殊な条件を満たしていることになります』
俺が疑問に思っていると、ボードが浮かび上がってきて説明してくれる。
そういうことだったのか。
クロロ以外はその特殊な条件を満たしているみたいだな。クロロと他の皆の違いは、俺自身と契約していることと、潜在ランクだ。
その辺りが関係しているのかもしれないな。
詳しく見てみよう。
―――――――――――――
個体名:リリ
進化条件①▼
①火炎晶×1
②アチチ草×100
③Cランク魔石×50
④レベル上限
進化条件②▼
①火炎晶×5
②雷霆草×5
③アチチ草×100
④ビリビリダケ×100
⑤Cランク魔石×100
⑥レベル上限
―――――――――――――
個体名:ポーラ
進化条件①▼
①月の実×1
②メディチ草×100
③Cランク魔石×50
④レベル上限
進化条件②▼
①聖水×500mL
②月の実×5
③メディチ草×100
④ゲドッグ草×100
⑤Cランク魔石×100
⑥レベル上限
―――――――――――――
個体名:ルナ
進化条件①▼
①雪晶花×1
②ヒエヒエ石×100
③Cランク魔石×50
④レベル上限
進化条件②▼
①妖石×5
②魔結晶×5
③雪晶花×10
④ヒエヒエ石×100
⑤Cランク魔石×100
⑥レベル上限
―――――――――――――
個体名:プルー
進化条件①▼
①混毒玉×1
②シビレ草×100
③Cランク魔石×50
④レベル上限
進化条件②▼
①暗黒水×500mL
②混毒玉×5
③シビレ草×100
④ミンミンダケ×100
⑤Cランク魔石×100
⑥レベル上限
―――――――――――――
「どう見ても1つ目が正統進化で、2つ目が特殊進化だよな、これ」
1つ目に比べて、2つ目の進化の条件がかなり厳しい。それを見るだけで2つ目の条件が特別なものであると分かる。
特殊進化というだけあって、それだけ大変なんだろう。
ただ、正統進化の条件にあるアイテムも、今までの進化条件に比べて何度が上がっている。少し手に入りにくいアイテムも含まれていて、Cランクへの進化の壁の高さを物語っていた。
そう簡単に強い種族に進化できたら世話ないよな。
ランクに見合うだけの苦労があって当然。むしろ、俺は苦労すれば進化できるって分かってるんだからそれだけで十分だ。
進化させるには、少し遠出をしてそのアイテムがある場所まで取りに行くか、アイテムショップで高額で購入するか、依頼を出して高額で採ってきてもらうかだろう。
正統進化ならアイテムショップで買えば済むけど、特殊進化だとせっかく貯めたお金を使っても足りない。依頼をするのも高額な報酬が必要だ。
自分で獲りに行く以外の選択肢はないだろう。
北のノワールの森を抜けた先にあるシルバー峡谷と西のイービル山に行けば大体のアイテムは揃うはずだ。
ただし、どちらもCランク以上のモンスターが闊歩する魔境。
Dランクモンスター5体と俺での探索は、かなり厳しいものとなるだろう。
そして、シルバー峡谷とイービル山に入るにはCランク傭兵の資格が必要だ。昇格もしなければならない。
さらに従魔を増やすとか、強力なモンスターをテイムしている人と親しくなって協力してもらうとか、強力な後ろ盾を得るとか、対策を立てる必要がある。
平民の家に生まれた俺に強力な後ろ盾の伝手なんてない。
一定以上のモンスターをテイムしていれば、テイマー学院でそういう伝手を得ることができただろうけど、Gランクしかテイムできない俺には無理だった。
現実的なのは1つ目と2つ目。
1つ目は、潜在能力の高いGランクモンスターをテイムすればいい。
俺が何匹までGランクモンスターをテイムできるのか分からないけど、最大までテイムしてDランクまで育てれば、俺自身に還元される力は大きなものになるはずだ。
10匹くらいテイムできれば、かなり違うだろう。
2つ目はエルたちに協力してもらう。彼らは傭兵だ。もっと強くなりたいはず。エルたちのモンスターを進化させれば、彼ら自身も強くなれる。
手伝う代わりに進化させることを条件にすれば、嫌とは言わないと思う。
というか、そんなに大変なら通常進化にすればいいと思うかもしれない。
でも、そんなことできるはずがない。
だって特殊進化とか、響きがもうカッコ良すぎるだろ。それを考えたら、そっち選ぶしかないでしょ!!
それに、BPの付与から想像するに、恐らく苦労が多ければ多いほど、後で得られるものは大きくなるに違いない。どうせ進化するのならより強くなれた方が良い。
目の前により強くなれる選択肢があるのに、そっちを選ばないなんてできるだろうか……いや、できない。
それに、別に進化を急ぐ必要はない。
もうすぐ薬代も貯まるし、皆がDランクになったことでさらに稼ぎが増える。期限があるわけでもないから気長にやっていけばいい。
どうしても集められそうになかったら、その時は諦めて通常の進化を選べばいいんだ。
ただ、どちらが何に進化するのかはいくらシステムに聞いても教えてもらえなかった。
それは進化してからのお楽しみということなんだろうな。
「さて、仕事を続けようか」
皆の進化を見届けた後、再び仕事を再開した。
オークも一撃で倒せるようになったおかげで、森の中をかなり自由に動けるようになって探索が捗る捗る。
「アイリ、母さんの薬代が貯まったぞ!!」
「ホントに!? やったー!!」
その結果、ついにお金が目標金額を達成した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます