短編:悪魔が来たりて首を切る!!!
立花 優
第一話 ASOKO
ギーコ、ギーコ、ゴキッ!!!
奇妙で不気味な、音が、ユニット・バスに流れる。
ここは、金沢駅西口(裏側)奥近くにある、ラブホ「ピンク・シャトー」の一室である。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「うわー、お嬢さん。今まで、こんな美しいASOKOは見た事が無い。
顔は絶対映さないないから、貴方の美しいASOKOだけでも、スマホで撮らせて下さいね」と言って、いかにも紳士然とした、40歳前後の男が言う。目の前で、高級財布から、ポンとピン札5枚を出した。
しかし、ここで、彼女、北川恭子は、致命的な判断ミスを犯した。
パチリと映されたスマホには、ASOKOは勿論、自分の自慢の美人顔や全身が、キチンと撮られていたのである。
「残念だったね、お嬢さん。何処の誰かは、これからユックリ聞かせてもらうが、ここに、お嬢さんのアラレも無い姿が映った写真がある。
警察や弁護士に相談したが最後、即、インスタやツイッター等にこの画像をUPするからなあ、良く、覚えておけよ。
で、この俺がやりたくなったら、直ちに、出て来いよ」
彼女、北川恭子は、現役の国立大生である。小遣いが少ないので、マッチングアプリで知り合った男性とパパ活行為をして、高価なブランド品などを買っていたのだが……。
ある日など、即、呼び出されて、障害者用多目的便所で、いきなり挿入された。
「私は、公衆便所かよ!」と、怒ってみても、後の祭りである。
「デジタルタトゥー」の一番の怖さで有る事は、自分が、一番良く知っているのだ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
しかし、北川恭子は、元々、地元では、有名な国立大学薬学部の学生であった。
「何とか、あいつを処分しなければ、一生、公衆便所のママだ」と、色々と作戦を考えた。
で、遂に、ある方法を思い付いた?それで、一体、どんな方法なのか?
彼女の家は、金沢市の郊外の新興住宅団地にあった。
ただ、新興住宅団地故、近所付き合いもほとんど無く、それ故、空き巣等が多発。
で、よく警察のパトカーが回っていた。
丁度、今から2年前の2月頃、一台のパトカーが巡回していたが、運転手は若い警官たった一人であった。
それを十分に確認して、パトカーの手前で急に激しくしゃがみこんだのだ。パトカーから、若い警官が直ぐに降りて、駆け付けて来た。
「お嬢さん、大丈夫ですか?救急車を呼びましょうか?」と、訪ねてくる。
「いえ、時たま、今日のように、めまいがする事がありますので……」
すると、北川恭子は、通っている地元の国立大学の学生証を見せて、
「私は、地元の学生で怪しい者ではありません。ワガママを言えば、家まで送って頂ければ、助かるのですが……」
「それぐらい簡単です。じゃ、助手席に乗って下さい。自宅まで送りますよ」
さて、パトカーに乗り込んだ北川恭子は、ワザと、人目の付かないガード下まで運転させた。
そして、次のように言ったのだ。
「私、彼氏と別れて、もう半年なんです。私は、男性がいないと駄目な体なんです」と、言って、警官の左手を、スカートの中に無理矢理入れさせた。
「お願いですから、一度でいいから、して下さい。お金なんかいりませんから……」
「いや、本官。この私には、そう言う事はできかねます」
しかし、彼女は、ポケットから避妊具を取り出して、ビンビンにそそり起っている、アソコに被せた。
「誰にも言いません。好きにして下さい。昔から言うじゃありませんか。据え膳食わぬは男の恥、だとね」
ここまでされると、若い警官の性欲が暴走する。北川恭子と言う身元も学生証で確認していた。で、安心して助手席のシートを押し倒して、襲いかかった。
最後まで出し終わった、その時である。
北川恭子は、最新式のデジタルボイスレコーダーをポケットから取り出した。そして再生ボタンを押した。
「イヤイヤイヤ、辞めて、何て事を、イヤー!!!」
「もう、止められねえ、最後まで入れるぞ」
こんな会話が、ハッキリと残されていた。だが、しかしここで、一番重要な、最初の彼女からの猛烈な哀願部分は、全く録音されていなかったのである。
「ハイ、強制性交罪(当時)の成立ね。
あっと、この機械の音声はFM電波で別の機器に録音されているの。例えこの私を殺しても、絶対に消せないのよ。分かった?」
「しまった。ハメたつもりがハメられたのか!」
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