社畜 無双する

ダンジョンに潜ると魔物が待機していた

2mはある武器を持つ魔物


「オークですね。3級の中では弱い部類に入りますが本来なら実力者数名でかかる相手です」

「そ、そうなの?」


オークと呼ばれた魔物の強さを蓮二は知らなかった

攻撃をされても炎で受け止められる上一撃で倒せていたから分からなくても当然と言える

(実力者数人でってそんな強いのか……)


『そうだね、みんな苦戦してるくらい強い』

『一撃で倒すのがおかしい』

『一撃? あれ見れなかったんだけどどんな異能なの?』

『それは』

『見てからのお楽しみでしょ。あれは』

『あぁそうか、そうだな』


「それじゃ戦いましょう」


蓮二が異能を発動させる

蓮二の周囲に燃え盛る炎が漂う

近くにいる天音は熱を感じる


『炎系か』

『炎かよくある異能だな』

『よくあるけどやっぱ属性系の異能は映えるよね』

『だな。特に炎や氷は見栄えがいいから好き』

『炎って事は出力高いって事?』

『一撃って事はそうだね、知ってる限りだと一撃で倒せるほどの出力って居ないんだけどなぁ』

『誰か居ないっけ? 居なかった?』

『居たっけ?』

『一撃は居なかったと思う』


「私の知る限りではこの方以外居ませんね。あっ、私の異能を念の為に使います。数秒ですが拘束しているうちに叩いてください」

「分かった」


『少なくとも配信に出た探索者の中では最大出力って事か!』

『そう考えるとすげぇてかえげつねぇ』

『やるみたいだぞ』


天音が異能を発動させる


「鎖よ縛って」


4本の鎖が魔物の手足に縛り付き動きを封じる

そして動きが止まった魔物に炎を当てる

ほんの数秒だが回避も防御も出来ない連携、それも直撃すれば一撃で仕留められるほどの火力

天音と蓮二の連携は敵にとってだいぶ凶悪なコンボと言えるだろう

魔物は燃え盛る炎に焼かれて消滅する

(動き止まるから外す事無いし攻撃されないから良いな)

魔石を落とす

天音が魔石を回収してバックに入れる


『強っ』

『ガチで一撃じゃん、予め削ってたとかじゃないよね?』

『ダンジョン潜る前から配信してるんだから無理だよ。無傷だったじゃん』

『天音ちゃんの鎖との連携やべぇ、てか特に炎を集中させていたとかでも無いんだけど通常攻撃?』

『通常攻撃っぽかったよね。天音ちゃんの異能待ってる時もなにかしてた訳じゃないし』

『こんな強いなら何か条件があるのかな? 出力に条件が課せられてるタイプの』

『あぁ、その条件を満たしてるから高火力なのか』


「そう言えば思い出しました?」

「いや、思い出してないな」


仕事が忙しくてそれどころでは無かったのだ


『忘れてるのか』

『忘れてても使えるの?』

『私異能者の知り合いがいるんだけど条件に関しては自動で満たす場合は忘れてても使えるんだって』

『便利だなぁ』

『ただ出力関連であった場合今以上の出力を出すのが難しくなったり下手したら出力が下がる可能性あるって事だからなぁ』

『あぁ確かに、そう考えると覚えておくべきやな』


「頑張って思い出すか……」

「その方が良さそうですね」


『てかなんで忘れてるの? 異能貰ったあと使ってれば何となくで覚えてそうだけど』

『確かあの時ダンジョン初めてって言ってたしあの時異能を使うのが初めてな可能性微レ存』

『流石にそれは無いでしょ』


「……その通りなんだよなぁ」


コメント欄の予想通り、あの時正確にはあの日ダンジョンに潜り初めて魔物と戦った時に異能を使った

それ以前は一度として異能に触れていなかった


『まじか』

『まさかの初めて使ったのが3級のダンジョンって事? ヤバっ』

『大型新人やんけ』

『探索者でも無かった一般人が3級ダンジョンで無双して配信者救うとかなんてラノベ』

『えげつねぇ』

『だから護衛1人なのか。これじゃむしろ他の人は邪魔になりかねないな』

『がんばれー』


2人の連携で魔物を次々と倒していく

2体同時に出現しても何ら問題は無い

天音の鎖で拘束している間に広範囲の炎で焼き尽くす

天音の異能は4本の鎖を出せる、その4本は一体に対してのみでは無い

拘束力が下がるが最大で4体まで同時に拘束出来る

それだけでなく時間差で拘束も可能、最も時間差で拘束しても拘束時間は誤差ではある

あくまで合計4回拘束が出来ると言うだけ

ただそれもまた天音の異能の強みであり使い方、工夫次第で強くなる

2人は順調に二階層へ進む

小さい魔物が三体湧いてくる

炎を避けられる小型で素早い魔物


『出たクソ厄介な奴』

『一体一体普通に4級クラスはあるし連携やばいんだよな』

『みんな苦戦するよね』

『ただオークより個々の強さは低いし今回天音ちゃんが居るから』


「鎖よ縛って!」


3体を全員を鎖で縛り付ける

素早い魔物であっても関係ない必中の異能

そして動きを封じられた魔物相手なら蓮二の炎が外れる事は無い

3体を纏めて焼ける範囲の炎で焼き尽くす


『天音ちゃんの異能は拘束破られてるから強くないって印象あるけど普通に3級でも縛り付けれるのえぐい』

『外してる所見た事ないしね』

『攻撃途中で止めると勢い殺せるし素早い奴なんて速度殺されるからだいぶ凶悪な異能』

『それも人間よりだいぶ力の強い魔物だから拘束をすぐ破れてるけど人間相手なら普通に縛り付けれるという』

『殺傷力無いし凄い警察とか向いてそう』


「私の異能は必ず対象を拘束出来ます。私のはそう言う異能です」


『必中はやばくて草』

『必中w』

『必ず当たるとかシンプルに強すぎる』

『戦闘能力が無いだけで普通に有能な天音ちゃん』


(必ず対象を拘束するって強いなぁ)

連携で完封して二階層も問題なく突破する

三階層に進む

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る