社畜探索者〜紅蓮の王と異界迷宮と配信者〜

代永 並木

社畜のダンジョンデビュー

井坂蓮二23歳

社畜、社会の歯車として社会貢献をし続けている中、日々精神がすり減っていた

夜中ふと帰路を歩いていると近くにあるダンジョンが目に付く


「あれ? こんな場所にあったっけ?」


10年ほど前に突如として世界中にダンジョンが現れた

そのダンジョンには未知の鉱石、道具などが眠っていた

そして現在未知への探索を多くの人間が行っている

何故かダンジョンの中では外の武器は使えなかった

内部で得た鉱石等で作った武器、もしくは入手した武器でのみ魔物を倒すことが出来た

そのため銃の様な消費の大きい武器は作られなかった

年間多くの探索者がダンジョンに潜り探索者が死んでいる

それでも探索者は潜り続ける様々な望みを胸に


「ダンジョンかぁ……」


偶にダンジョンに潜る探索者の配信を見る

かなり低確率のようだが素材が出れば高値で取引されるらしい


「明日休みだし行こうかな」


ダンジョンは危険が多い、死ぬ可能性だってある

そんな事は精神がすり減ったこの男には関係ない、気紛れあるいは死に場所を求めてかダンジョンに行く事を決めていた

翌日朝起きて別のスーツに着替えて取引所に向かう

取引所では魔石や素材の売買を行っている

そして2階ではダンジョンで使える装備を販売している

2階に行き装備を買う、探索者の資格自体は昔の友人に進められ取っていた

中でも安い剣を買う


「これください」

「10万です」


(高いなぁ、まぁ金はあるし良いか)

趣味も娯楽もやっていない蓮二は生活費以外には特に何も使わず金を貯金している、数年続けているのでそれなりには貯まっている

10万は高いが払えない額では無い

買った剣を持って昨日(今日午前2時)の帰りに見たダンジョンへ向かう

ダンジョンへ着く

人集りが出来ている

何か騒がしい


「配信中のトラブルで天音がダンジョンに取り残されてるらしいぞ」

「まじかよ、他のやつは?」

「どうやら逃げたって話だ。それでいま救助を呼び掛けてるそうだ」

「だけどここって3級でしょ? 行ける人いるの?」

「それが居ねぇんだよ。一応潜れるメンバーが集まって挑んでは見たがかなり強いらしい」


(何かあったのか? 人が減るまで待つか)

30分ほどで探索者と思しきメンバーがダンジョンから出て外にいた人たちと話している


「無理だ、配信を見た限りでもかなり奥に居るが魔物が強くて進めねぇ、時間がかかる」

「それじゃ天音ちゃんは」

「諦めるしかねぇな。最も他の腕利きの探索者が集まってくれれば行けるかもしれねぇが」

「お、おい! 夕方になるが3級に挑める冒険者が来てくれるらしいぞ」

「夕方か……集まり次第再びダンジョンアタックする。その間も呼び掛けを頼む」

「わかった」

「任せて!」


スマホを弄っているとダンジョン付近の人集りがいつの間にか居なくなっていた

(今のうちに入ろ)

ダンジョンに1人で入る

ここは3級のダンジョン、単独で入るのは命知らずかはたまた怪物級の実力を持つ人間のみ

そして今日新しく修羅が生まれた

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