同窓の宴

 C姐さんの居酒屋再び。


 ある日、店にCさんの友人だという体格の良い男性がやってきました。その時は他にお客様もいなかったので、鳥は客のフリをしてカウンターに座り、彼女とおしゃべりをしていました。

 

 彼は一つ開けた隣に座り「よう。久しぶり」と言いました。


 一瞬なんの事かと思いつつ、そこはテキトーな私なので、瞬時に乗ってご挨拶します。


「お久しぶりです」

「中学以来やね」


 会話はスムーズに進みます。姐さんもツッコみません……が、知らない人です。名前も顔も見覚えありません。私は他県出身なので、中学も一緒な訳がありません。


「そういや高校で部活何やってた?」

「演劇部と美術部ですよ。先輩は?」

「俺はサッカー部。青春やったなあ。一番モテた時期やわ」

「先輩カッコよかったですもんね」(太鼓のような腹を眺めながら)

「まあ、セッ◯スばっかりやったけどな。ガハハ。恋バナでもしながら飲もうや」

「ゴチになりま〜す」


 そうこうするうち、他のお客様も入って来て、私はなんとなく厨房に入ってお手伝いを始めました。お互い名前を呼び合い、お酒をご馳走になりつつ、楽しく会話して、彼は帰って行きました。

 

 先輩は他の人にも同じように話しかけていたので、あの日はもしかしたら同窓会だったのかもしれません。

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