第31話 適性診断

 翌日。俺は神父に連れられて、王国城に向う。

 教会から王国城には、徒歩で約15分ぐらいだ。(俺の足で)


 そして、王国城から急遽呼び出しをアスは受けたので、アスも加わって、三人で王国城に向う。

 リンは当然。付いて行きたい仕草を見せたが、子どもたちの見守り関係でシスターから止められてしまった。


 ……


「では、神父。スズヤさん!」

「私はの方ですから、失礼します!!」


『ぺこり』


 王国城内で、アスとは一時的に別れる。

 アスは和やかな表情で、俺と神父に言葉を掛けた後。ちゃんともする。


 ちなみにアスは戦争孤児から、俺やリンと同じとなった為に、俺を先生付けでは無く付けで呼ぶ様に成っている。

 だが、アスが俺を付けで呼ぶ様に成ってからは、リンが差別化を図って(?)、俺を呼び捨てで呼ぶ様に成った?


 王国城内の雰囲気は、RPGで出て来る城内と良く似ているが、一階部分は前世界で見慣れた、市役所内の一面部分も見せる。

 ちゃんと『王国民課』や『税務課』などの窓口も有る!?


 アスとは別れた後。

 神父は澄ました表情で、俺に話し始める。


「では、行きましょうか。スズヤ」

「適性診断の場所は、地下の方に成ります!」


 ……


 俺は神父に連れられて、地下へ下りる階段を下りていく。

 地下一階にり、階段は更に地下へ続いている感じだが『この先は、関係者以外立ち入り禁止』の、立て看板が置かれている。


 それに興味を持った俺は、神父に尋ねる表情で聞き始める。


「神父!」

「これより地下は、何が有るのですか?」


「スズヤ。その先は王国城の避難壕や、マホトットの鋳造ちゅうぞう工場こうばが有る!」

「それだけだよ……」


 神父は澄ました表情で、俺からの質問に答える。

 俺は神父の『それだけだよ……』の、素っ気ない言葉が気に成ったが、追求しても多分答えてはくれないだろう。


 階段を下りた前方方向には、頑丈そうな扉が有って、扉の上部には『適性診断室』と書かれた木の板が、釘で打ち付けられている。

 神父が先頭で、適性診断室の扉を開ける。


『ギイィィーー』


 適性診断室内は右側に受付が有って、正面には更に扉が有る。

 左側はソファーが置かれており、城内だが、病院や診療所の雰囲気を漂わせる。


 ソファーの方に待合の人が無いから、待ち時間は無さそうだ?

 神父が受付に近付くと……神父が話し始めるまえに、受付にいる若い女性が和やかな表情で話し始める。


「これは、これは神父! お待ちしておりました!!」

「……そちらの方が、今回診断を受けられる。スズヤ様ですね?」


「はい。私の横に居る男性が、スズヤです!」


 神父は、受付の女性に穏やかな表情で話す。

 受付の女性は目線を、神父から俺に目線を移して、説明する表情で話し始める。


「スズヤ様!」

「では、診断準備の方は出来ておりますので、早速診断に入りますが、事前に診断方法の説明は受けておられるでしょうか?」


 俺は事前説明を受けていないから『いいえ』と、澄ました表情で即答する。

 俺の言葉を聞いた受付の女性は、その表情で説明を続ける。


「では、説明をいたします!」

「この診断に関しましては、当城内の守り神で有る、コハル大蛇だいじゃ様を使って診断いたします」


「!?」


(大蛇を使って、診断だと!?)

(魔法を使っでの診断では無いのかよ!(汗))


 俺は心の中で仰天する。

 この辺が流石、異世界らしい!?


「その時に……コハル様が、スズヤ様を軽く締め付けますが、これは診断に必要な事ですからご了承ください。着衣はそのままで構いません!」


(大蛇が……俺を締め付ける!///)

(想像するだけで、命の危機を感じるよ!!///)


「診断は、大体1~2分で完了しまして、直ぐにコハル様から診断結果の言葉が出されます!」

「説明は以上ですが、何かご質問はございますでしょうか?」


「…………」


(突っ込みどころ満載だが、もう、素直に受けよう///)

(大蛇は、診断目的で俺を締め付けるので有って、捕食するのでは無いから!///)


「いえ、特に有りません…」


 俺は、小難しい表情で受付の女性に答える。

 受付の女性は、穏やかな表情で話し始める。


「では、スズヤ様。そのまま、正面の扉にお進みください!」

「中ではコハル様が、スズヤ様をお待ちしております!」


 診察をして貰う感じで俺は正面の扉に進んで、また頑丈そうな扉をノックする。

 神父は付いて来ずに、左側に置いて有るソファーに腰を下ろしていた。


『コン、コン、―――』


「はーい?」

「どうぞ~~♪」


 俺が扉をノックすると、扉向こうからは、可愛らしい女性の声が返って来た!?

 部屋の中は大蛇が居ると言っていたが、若い女性助手も一緒に居るのだろう?


「失礼します…」


 俺は落ち着いた口調で、扉向こうに居る女性に言ってから扉を開ける。


『ギイィィーー』


「!??」


『バタン!』


 俺が扉を開けると、室内には受付の女性が言っていた、緑色の大蛇が居た!

 更に、扉は勝手に閉まる!!


 扉にドアクローザー何て、付いていなかったぞ!///

 大蛇は俺を見ながら、可愛らしい人の言葉を発し始める!?


「こんにちは! あなたが……診断を希望する人だね?」

「よろしくね!♪」


「えっと……えっと、よろしくですが……蛇さんは喋れるのですか?」


 俺はした表情で大蛇に話す。

 大蛇は笑顔(?)で、俺に話し始める。


「そうだよ!♪」

「後……蛇さんでは無く、コハルと言う名前が有るから、今度からはコハルと呼んでね♪」


「…………」


(見掛けの割りに……幼い少女声だな!)

(大蛇の癖に!!)

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