第21話 アスの正体!?

 俺とリンは荷物を持ったまま、アスと女子二人の方に向う。

 俺とリンが声を掛ける前にアスが気付き、恥ずかしそうな表情で、俺とリンに向けて話し始める。


「えっと……あの、見ていましたか…///」

「さっきの出来事を……///」


「……」


(正直に言うしか無いよな…!)


 と、俺が心の中で感じていると、リンは嬉しそうな表情でアスに話し始める?


「アスちゃん、凄いですね!」

「アスちゃんが黒魔法使いなんて私、全然気付きませんでした!!」


「~~~//////」


 リンの言葉で、完全恥ずかしがってしまうアス!

 俺は困った微笑み表情で、アスに話し掛ける。


「……アス一人に任しても問題が無い事と、アスが子どもたちを纏めている理由がこれで分かったよ!」

「黒魔法使いなら、魔物や悪人が来ても対処出来るからね(汗)」


「はい……そうです。スズヤ先生」

「私は魔法を扱える素質が有ったらしく、適性診断で調べて貰いましたらと判定されました」←素質が無い場合はとなる


「嬉しい様な嬉しくない気分でしたが、神父が私に、黒魔法使い為る事を勧めて来ました」

「私も神父たちがいない時や、私の力だけで子どもたちを守れる様にと感じ、この様に成りました……」


 俺の言葉の後。

 アスは恥ずかしそうな表情で、淡々と俺に話す。


 俺がアスに言葉を続けようとすると、リンが女子二人に向けて、心配する表情で話し始める。


「二人とも、怪我とか無いですか?」


「うん……リン先生。怪我は無い……」


「……私も大丈夫です。リン先生……」


 女子二人は、困った表情で答える。

 だけど、精神的ダメージが大きいらしく、アスにしがみついたままだ。


 そして、アスが黒魔法使いで有る事に興味を持った俺は、アスに和やかな表情で話し掛ける。


「アスはさっきの……火の魔法以外に、何が使えるの?」


 アスは少し困った表情で、俺からの質問に答え始める。


「私は現在……ブランドとイスしか扱えません」

「ブランドは火球魔法で有り、イスは吹雪魔法で相手を凍結死させます」


「そもそも、私は黒魔法使いの登録をしていますが、軍の所属は特例でされていません」

「私は養護施設の孤児でも、教会に属している人物ですので、魔物とは言え無闇に殺生をする事は許されていません」


「今回みたいに、一方的に襲い掛かられた場合は例外ですが、みずから魔物狩りをする行為は許されていません…」


(これがゲームの世界なら、アスを仲間にして、俺・リン・アスでパーティーが組めそうだが、アスの現身分では、魔王退治に参加させる事は出来ないのか!///)

(でも、その前に、俺に勇者とかの素質は無いと思うが!?///)


 俺がそんな事を思っていると……リンが尋ねる表情で、アスに話し始める。


「アスちゃん!」

「アスちゃんは何処に、マホトットを付けているですか?」


「私の様な、指輪タイプじゃ無いですの?」


「!」


 リンはアスに、右手を見せながら言う。

 アスはリンの指輪を見て驚きながら、リンに話し始める。


「リン先生も、魔法使いなんですか!?」


「そうですよ、アスちゃん!」

「敢えて言いませんでしたけど、私はこう見えても白魔法使いなんです♪」


「でも、登録は、まだしていないですけど///」


「…………」


 アスの言葉の後。リンは嬉しそうな表情でアスに話す。

 そして、最後の言葉は困った笑顔でアスに話す。


 アスはリンが白魔法使いと知り、気の抜けた表情をしている。

 でも、直ぐに困った微笑み表情に成って、リンに話し始める。


「リン先生……私のはネックレスタイプです」

「ブラウスの下に隠しています…」


『ちらっ』


 アスはそう言いながら、ブラウスの下からネックレスタイプの、マホトットを見せる。

 だが、アスは急に真面目な表情に変わって、リンに話し始める。


「……リン先生!」

「先生が白魔法使いでしたら『スイスイ』は使えますよね?」


「この二人の女子。ミクとナツに、スイスイを掛けてくれませんか?」


「へっ!?」


 アスの言葉で、リンは間抜けな声を発する。

 リンは焦った表情で、アスに話し始める。


「アスちゃん! 二人の女の子は、何処も怪我をしていないですよ!///」

「だから、スイスイなんか掛けても、何も効きませんよ!!///」


「……リン先生。スイスイは、ヒーリングも有るのもご存じですよね?」

「今のこの子たちには、眠らせるのが一番の薬なんです」


「…………」


 アスが真面目な表情と澄ました口調で言うと、リンは、鳩が豆鉄砲を食った様な顔をしている。

 この感じだと、ヒーリングが有るのを知らなかった感じだな……


「…………///」


「…………///」


 ミクとナツは、未だに悲しそうな表情で、アスにしがみついている。

 リンは頬を染めた恥ずかしい表情で、アスに話し始める。


「わっ、分かりました。アスちゃん!//////」

「では、今から……ミクとナツちゃんに、スイスイを掛けます!!//////」


 リンは言葉を終えると、荷物を下に置いて、アスと同じ様に右手を広げて、ミクの側に近付く。


「……スイスイ!」


『キラーン☆』


 リンが真面目な表情で魔法を唱えると、青白い光が輝き、ミクを優しく包む。


(成るほど……こうやってリンは、スイスイを俺を助けた時に掛けたのか!)

(何か……やっと、異世界らしく成って来たな!)

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