第3話 異世界の状況を知る

「えっと……少し薄めの味ですがその分。野菜の甘みを凄く感じますね!」

「キャベツの甘みやニンジンのニンジンらしさ。ハムからの出汁だしも良く出ていて、美味しいです!!」


 俺はリンに、優しい表情で感想を述べる。

 味は薄いけど健康を意識すれば、これぐらいの方が体に良い。


 俺も何だかんだで、もう30代に突入しているからな///

 俺の感想を聞いたリンは、嬉しそうな表情で俺に話し始める。


「でしょ、でしょ、スズヤさん!」

「この優しい味が、みんなに評判の味なんです!♪」


「お代わりも有りますからね!!♪」


(優しい味か……前世界の料理で、優しい味なんてまず食わなかったからな)


 優しい味の定義は知らないが、次○系のラーメンを優しい味とは絶対言わないし、中華料理だって言わないだろう。

 家庭料理を優しい味と言えばそうだが、最近の家庭料理はが多いと聞く。


 俺の想像する優しい味は……精進料理かなと感じるが、精進料理を好んで食べる人は少ない。

 俺は真面な精進料理を食べた事が無いし、食べたいとも思わない。


 前世界の味は優しい味より、香辛料の刺激や肉の脂の旨み。チーズをかけたり、タレたっぷりの濃厚な食べ物ばかりが町に溢れていた。

 この世界にマク○ナルドやコンビニは存在しないはずだから、リンがさっき言った『優しい味』が、美味しいの基準点に成っているのだろう。


 知らないけど!


(だけど、このスープぐらいなら俺にも作れそうだな!)

(俺は自炊経験が豊富だから(?)、味の微妙な部分にも気付く)


(後で、リンの母親にレシピを聞いてみるか!!)


 俺はそんな事を感じながら、リンの母親が作ってくれたスープを完食する。

 お代わりを求める程では無かったから、1皿分のスープで食事を終える。


 食べ終わったお皿をリンが回収して、リンはお皿をテーブルに置いてあるトレイに置いて、俺の側に再び戻ってくる。


「スズヤさん」

「お腹も膨れたでしょうし、後はと体を休めてくださいね!」


 リンは和やかな表情で俺に話す。

 リンの言葉の後。俺は尋ねる表情でリンに話し始める。


「リンさん」

「今日って、何年何月何日ですか?」


「少し、ど忘れをしてしまって///」


 最後の文章は、頬を少し染めた恥ずかしい表情でリンに話す。

 でもリンは、和やかな表情で俺に話し始める。


「スズヤさん!」

「今日は、マルコ532年10月15日ですよ!!」


「……」


(マルコ532年。やっぱり、異世界か…!)

(だけど、さっき。リンの母親が『魔王軍』と言っていたから、あの時点で確定はしていたが……)


 俺の前世界は西暦だ。マルコなんてれきは、今初めて耳にする歴だ。

 これが西暦なら、現代ファンタジーに成るかも知れないが、マルコ暦なら異世界ファンタジーで大丈夫だろう?


 月日も、俺が入水自殺を計ったのは、12月3日で有ったから、月日の一致もしない。

 俺は此処で、溜め息を吐く。


「ふぅ~~」


 その溜め息を聞いた、リンが困った表情で俺に話し始める。


「どうしたのですか。スズヤさん?」

「急に溜め息を吐きまして?」


「いや……今の自分自身が、何処に居るかを気付いてね…」


「自分自身ですか…」


 俺の言葉の後。

 リンは『きょとん』とした表情で俺に話す。


 俺は悩んだ表情で、リンに話し始める。


「リンさんは多分。信じてくれないと思うけど、俺は別世界から来た人間なんだ」

「俺は、西暦2023年の日本国から来た、最上鈴谷という日本人なんだ…」


「リンさんは当然。日本人では無いですよね?」


「……はい。スズヤさんの言っている意味が良く理解出来ませんが、私はの王国民です」

「でも、スズヤさんは私の言っている言葉が理解出来ますし、話す事も出来ますよ?」


 リンは怪訝な表情で俺に話す。

 俺が今いる場所は、メルメーサ王国と言う国らしい。


 異世界に居るのに何故、俺は言葉を理解出来たり、話したり出来るのは謎で有るが、これも異世界の定番だ!

 俺がどの様にして、日本からメルメーサ王国(異世界)に飛ばされたかは知りようが無いが、俺はこの地で生きて行くしか無いだろう。


 それとも、また自殺をすれば、元の日本に戻れるのだろうか?


(だけどな……異世界に来た以上は、俺も勝ち組に為れるんだよな!?)

(なら、俺はこの国いや、世界で勝ち組の称号を得ないと……)


 俺は困った微笑み表情で、リンに話し始める。


「まぁ、そう言う訳だから、俺はこの世界に身寄りはいないんだよ」

「でも、助けてくれた事は本当に感謝するよ!」


『ペコリ』


 俺の言葉の後。

 ベッドの上で有るが、リンに頭を下げる。


 リンも困った微笑み表情で、俺に話し始める。


「そうなんですか。スズヤさん……」

「私は現在。お母さんと二人暮らしなんですけど、もし、スズヤさんがよろしければ、しばらく滞在しませんか?」


「私も、もう少し……スズヤさんの事を知りたいし///」


 最後の文章は、上目遣いで俺に話すリン!

 チー牛おっさんに、リンが興味を示している!?///

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