観察記録 Kその1
小鳥系の観察記録
~ 2班 ~
1日目 曇り
2匹とも愛玩動物で人気のある鳴き声の綺麗な小鳥系魔物達だ。まだようやく羽が生え揃ったばかりの頃みたいでまだ幼鳥の様に見える。
ここには鳥の餌になる様な穀物は今はないため、今日のところは今収穫出来る物を1つずつ用意してみた。
殻が硬すぎる物は除外し、大きな物はリス系やリス猿系の分をほんの少し分けてもらった。結果的には完熟している物ならある程度食べくれた。従魔士のところで一緒に頼んでもらった物が届くまでは園内の物で代用する。そう言えば調教師が葉野菜を時々与えた方が良いって言っていたと誰かが手作りしたらしい飼育書にも書かれてあったな。
食後の運動用にと誰かが私物化して勝手に資料置き場にしていた小部屋の中を撤去し、ブルーシートを敷いて成長途中の鉢植えをいくつか点在させた場所へ、かごに入れて連れて行く。流石にまだ庭や温室などは逃げたり、隠れる場所が多いので放てない。
警戒していてしきりに短く囀り体を左右に跳ねて落ち着かない様子。出来るだけ刺激しない様にドアのところに移動して椅子に座って観察を続ける。一番離れた木に飛んで行き毛繕いをしていた。その枝でまだ落ち着かない様子で飛び跳ねてはいたが他の場所には行かなかった。
「帰るよー」
と声をかけるとかごの中へと飛んで戻って来た。流石は賢い幻獣?幻鳥?だ。
ただ食後直後に移動するのはストレスになっている気がするな。
2日目 晴れ
まだ飼料は届かないため、昨日食べた物を多めに、他にも似たような食材だけにして用意した。昨日の反省を生かして今日は食事前に運動用の部屋へ移動した。食後は昨日よりも多少スムーズに木へと移り、昨日の様なトットットッという様な忙しない動きだけでなく、ちょんちょんと他の枝にも移る様に飛び跳ねて移動していた。まだ警戒している様だが昨日よりは落ち着いて来た様子。やはり食事をここでさせたのが良かった様だ。食後の運動は大切だからな。しかし2匹共近くに居て同じタイミングで毛繕いをしている。仲良しで何よりだな。
3日目 曇りのち晴れ
食事は昨日と同じ。食後に木に飛んで行き、毛繕いするまでは同じ。場所に慣れたのか、この環境に慣れたのか、昨日までに比べると何処がという訳ではないが動きが良くなった様に見えた。囀りもゆったりしたものが聞こえる。
自分の食事のため席を外していた時にもう一人の担当者が暇だからと口笛で適当にメロディーを吹いたら、一度だけだが一緒に鳴いてくれた様だが、その後は駄目だったらしい。メロディーが仲間達の鳴き声にたまたま似ていたからだったのか。そいつが音楽の才能がなかったからなのか、気まぐれだったのか。
交代前に雛用の餌が届いた。成体と同じ餌を細かく砕き、水分を含ませ練った物だそう。水分の量や混ぜる物は種族や月齢によって違うらしい。今回は一般的な小鳥の雛の配合の物を3日分が餌袋と一緒に届いた。これからは食べ具合を良く見て、この子達が好む配合を見つけるゾ!
と言っても私は次の当番が来るまで遠くから見てるだけなんだけどさ。
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