(一)-3

 新しい職場がどんなところかわからない。今までの慣れ親しんだ業務から離れて何をするのかも全くわからない不安もあった。

 とはいえ、仕事で評価されたことは素直に嬉しかったし、もともと新規事業関連の仕事はしてみたいと彩香は考え、人事にはそう希望を出していた。その意味でも今回の異動はその念願が叶ったのだ。不安は少なくないが、望んでいた未来だ。彩香は満美子と話していて、そう確信できた。


 その夜、退勤した彩香は自宅マンションの最寄り駅から出ると、駅前にあるドラッグストアの「ブナの木薬局」に寄り、スキンを購入した。最近はあまりしていなかったが、久しぶりにその気になったのであった。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る