第2話:じゃあさ、僕の彼女になってよ。

「彼女の名前は?ミンク」


「ミンク・・・ただのミンク」


「お父さんの名前はフォックス 」

「で、お母さんの名前は「ラパン」

「お姉ちゃんの名前は「シルク」

「リンクスって名前のでっかいモンスターも飼ってます」


そう言うとミンクはスカートのポケットの中から卵みたいなものを出すと、

その卵に向かって「タマちゃん」って呼んだ。

そしたらその卵、モコモコと動くと奇妙な生き物に変わった。

頭が尖っていて、体の色は水色・・・どこかビリケンに似ていた。


「タマちゃん?・・・え?、リンクスって言わなかった?」


「この子がタマちゃん・・・」

「で、タマちゃんのポッケに入ってる黄色いヤツがリンクスです」


「ん?、めちゃちっちゃいけど・・・でっかいって言わなかった?」


「でっかくなるけど、ここでやっちゃったら家が壊れるけどいいですか?」


「あ、いいわ・・・寝るとこなくなると困るから・・・」


するとタマちゃんはもとの卵に戻った。


「ね、君さ、この地球に悪いエイリアンを倒しに来たんだろ?」

「ほとんど雑魚キャラだけど、中には強いやつもいるけど大丈夫なの?」


「はい、たぶん・・・ですけど・・・」

「だけど、最初はそのつもりだったんたですけど面倒くさくなっちゃいました」


「そうなんだ・・・じゃ、地球にいる意味ないじゃん」


「そうですね、ないですね」

「帰ってもいいですけど・・・帰ると親に勉強しろって言われちゃうから 」


「そか、そか、どこの親も同じなんだな」

「勉強なんて、しろって言われるとテンション下がって余計 やらなくなるもんだよ・・・逆効果ってのが分かんないのかな 」


「だから、ここにいたらそういうのとか習い事とかから解放されるでしょ 」

「自由があるって、いいですよね」

「だから気の済むまでここにいることにします」


「そうなんだ・・・うちはいいよ、ずっと、いてくれて」


「ところでさ・・・君・・・・彼氏とかいる?」

「カレシ?」


「そんな方いませんよ」


「じゃあさ、僕の彼女になってよ」


「・・・・・」

「いきなりですね・・・」


「同種属の彼女作ればいいじゃないですか?・・・」

「ダレでもいいんですか?・・・私、異星人ですよ?」


「いいんだ、異星人でも文句言わないからさ、中学の時から彼女がいないんだ」

「それに異星人の彼女いる人なんてここじゃ普通だよ」


「街を歩いたら青いのとか緑の色した異星人とか連れた地球人が普通に歩いてるよ」


「ハジメさん、ビジュアルは悪くないから、なってあげてもいいですけど・・・」

「ヒマですし・・・」


「うそ、まじで?」


「やっぱ、考えときます・・・」


「え〜〜〜」


「ごめんなさい、じゃないんですからいいでしょ、考えておきますって言ってる

んですから脈アリですよ」

「この家にいて、毎日顔を合わせるんですからハジメさんにおまえの彼女みたい

なもんじゃありませんか?」


「いや〜言葉や態度で欲しいんだよね、こう言うのって・・・」


「手をつないだりさ、チューしたり・・・」


「そんな低レベルなことがしたいんですか?」


ミンクは口をへの字に曲げた。


「恋人どうしって、そう言うもんだろ?」


「う〜〜〜気色ワル〜・・・ウイルスが移りますよ」

「変な病気になるとイヤですし・・・やっぱ、やめましょう・・・」


「そんなこと言わないで、彼女になってよ」


「どうしましょう・・・」


「ま、タダでこの家に住まわせてもらってますし・・・前向きに考えてみますね」


「よろしくお願いします・・・」


そういう訳で地球でのんびり過ごすことに決めたミンクだったが、 それでは

平和で平凡な話で終わってしまうので、事件を起こしましょう。


平和なんてそうは問屋が卸さないのです。


つづく。

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