第16話

次の日の朝、日が昇る直前に目が覚めた


といっても、この街のいちばん高いところの屋根の上で寝てたけどね


ちょうど日の出も見れたし満足


そういえば、毎年お姉ちゃんと一緒に初日の出見に行ったなぁ


まあ、正確には連れていかれたけど


向こうの世界ではほとんどなかったのに、こっちの世界に来てからお姉ちゃんのこと思い出すこと増えたあ


もう会うことなんてできないのに.....


ああ、もう


これからお祭りだっているのに


ま、でもお姉ちゃんも一緒に楽しんでくれたらいいなあ


それじゃ、のんびりとギルドに行きますか!


……


うん、なんも感慨深さとは感じなかったわ


そりゃ、ここにきて今日で2日目だしね


そろそろ冒険者も集まってきてるね


じゃ、ギルドに今日の依頼が張り出されたら、お祭りを始めようかな


……


うわあ


依頼選びなんて、もう競争だね


でも、そんな競争も今日で終わり


まずは、隠形術で見えないようにして.....


いや、もういいか


ばれても


それじゃ、お祭りを始めようか!


――――――

――――

――


まずは.....


バンッ!


あははっ


ちゃんとみんなこっち見てる


さすがに、ギルドの扉を勢いよく開ければ、音のした方を見るよね



さて、だれからやろうかな.....


「おいおい、ここはガキが来るとこじゃねえぞ」


「しかも女ってことは俺たちの相手してくれるってことか?ギャハハ」


.....ま?


こんなやつ実際にいるんだ


いやまあ向こうでもこれほど素行は悪くなかったけど、いたよ?


でも、やっぱ色目使ってくる奴って.....


「気持ち悪いよ」


そして、とびっきりの笑顔で.....


「だからバイバイ」


「がぁっ!」


「かひゅっ!」


あはっ!


やっぱこういう調子乗ってるやつ殺すのって気持ちいいわ


「あはっ!次は誰にしようかなぁ?」


「ひっ」


「いやっ」


「おいおい.....」


「誰かそいつ押さえろ!」


ボクのセリフで、静まり返ったギルド内に活気が戻ってきた


うんうん、ギルドってやっぱりガヤガヤしてないとね


「あ、そこ逃げちゃダメでしょ」


「ぃゃ.....」


「ヨルナ!っ!貴様、ょく、も.....ぁ」


「あれ?気付いてなかった?一緒にやってあげたんだよ?」


「おいあいつ、めちゃくちゃやばいぞ!もう取り押さえることを考えるな!殺せ!」


「俺がやってやらあ!おらあ!」


「うるさいなあ。耳元で叫ばなくても聞こえるっての!」


「うぐっ」


「耳元で叫んだ罰に、そこでしばらく苦しんでこの様子見てなよ」


あー、ほんと耳痛くなるところだったよ


叫んできた奴は、四肢を全部切り落としておいた


運が悪ければ失血死するかもね


ま、もう興味ないし、放っておいて


「どんどんかかってきなよ?逃げようとしたやつから殺すよ!」

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