第13話
――王女アリステラside
最悪なことになったわ
本当に最悪だわ
まさか、身嗜みを整えて召喚室に戻ったら、一人殺されているし、一人がギャーギャー喚くわ、ほかの兵器どもがそれに同調するわ、仲間割れして、一人王城から出るわ
身嗜みを整えてから、召喚室に入る前に一応、指輪を使って、スキルの不使用と指輪を意識の外に置くことを命令したはずなのに.....
あの女顔なのに妙に気が強いやつが、恐らくはスキルを使って、ほかのやつの両腕を折るし、なぜか呪いが効かないし
全く、踏んだり蹴ったりよ!
本当に運がないわ
とりあえずはお父様に何といえば.....
――渚 陸翔side
なんなんだよ!あいつは!
いつもいつも俺の覇道を邪魔ばかりして!
俺はただただ正しいことしか言ってないだろうが!
あいつのことは中学のころから知っている
地味に羨ましい白髪だし、美人の姉がいるのに、いつも暗い顔ばかりして姉に守られて.....
そんな彼の姉にどうせOKされるだろうとみんなの前で堂々としたが、即答で断られて、そのあとも何回か告白したけど、全部断られて、挙句の果てには事故で死んでしまうし.....
あの姉は不出来な弟のせいで、俺の告白を断らなければならない状況だったんだろう
全てはあの男が悪い
高校に入ってすぐに事件を起こしたときは、学年中に彼の悪行を説明してボクの味方につけた
けど、彼が高校にまたやってきて、他人から軽蔑とかの視線を向けられてるのに何も気にしたそぶりもしない
異世界に来てからはどこかさらに女らしくなった気もするが.....
根は変わってない!
というかもっとひどくなっている
同じクラスメイトの死だというのに全く悲しまないし、七海君の両腕を簡単に折るし
あいつに人の心はないのか!
こんな時、いつもボクを慕ってくれる娘たちがいたらな.....
.....ともかく、あいつは、正義の象徴であるボクに楯突く悪だ!
いずれは成敗しなければな.....
――???side
今日も今日とて、皇女としての教育を受けなければならない
.....私は、前世の記憶を持ってこちらの世界に転生した
それも皇女として
父上がそれはもう前世とは比べ物にならないほど強いうえに賢く、この国は平和だし豊かだ
前世で私が生きた時代と同じかそれ以上だ
だがこの国にも多少問題がある
その1つが南の隣国のケテリコース王国だ
あの国は何かにつけて戦争を仕掛けてくるし、承認に紛れて密入国しては、我が国の民を攫っていく
最近は防衛も強化したからそのような報告はない
まあ、私にとっては知らない人間のことなんて心底どうでもいいけどね
それと、皇女としての責務を抜いて私には1つ心配事がある
それは、向こうの世界に置いてきた弟のことだ
実の両親からも嫌われた存在
私が近くにいてあげることで心が壊れることはなかったが、今はもう頼れる人はもういないだろう
元気にしてるのかな.....?
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