第39話 だからネタバレしないでください

「よう……久しぶりだな。相変わらず弱っちそうで安心したぜ」


 僕のピンチをさっそうと助けてくれたのは……


「え……?」5年前に別れた、僕のお兄ちゃんだった。「お兄ちゃん……? 本物……?」

「当たり前だろ? このイケメンフェイスを忘れたか?」ああ……間違いなく本物だ。「まぁ、5年も経過してりゃ、忘れられるのも無理はないか。お前はまだ小さかったもんな」

「忘れてなんてないよ……お兄ちゃん、おかえりなさい……」

「おう、ただいま」


 僕がお兄ちゃんとの再会を喜んでいると、


「なんだキサマは……」目の前のモンスターが言う。「そいつを助けに来たのか? 貧弱な人間が何人集まっても同じことだなが」

「貧弱な人間? おいおい、俺をその辺の人間と一緒にするなよ」相変わらずの自信家だ。「冥土の土産に俺の名前を教えてやろう。天下に名を轟かす、俺様の名前をな」


 お兄ちゃんはモンスターに拳を向け、宣言した。


「俺は……弟のために命を捨て、仲間たちに道を示す男だ!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る