第21話 誰が誰なんですか

「俺の名前はキングだ。よろしくな、キング」

「……しょうがないな……今回だけだぞ、キング」


 キングはキングの手を取り、握手が成立した。


「おお……」それを見ていたキングの弟子キングが、「最強コンビ誕生ッス! キングさんとキングさんが組めば、怖いものなしッス!」

「おいおいキング……最強トリオの間違いだろう? お前も含めて……キングとキングとキングの最強トリオだよ」

「ああ」キングが同意する。「キングの術とキングの力……そしてキングの頭脳があれば、まさに無敵だな」


 そんな最強トリオに向かって、さらに話しかける人間が1人。


「どうせなら、最強カルテットにしましょうか」

「お前は……キング?」そう。現れたのはキングだった。「お前も協力してくれるのか?」

「……勘違いしないで。キングに協力するんじゃない。キングに協力しに来たの」

「そうか。そりゃそうだよな」


 キングがキングに協力するわけがない。


 キングが助けるのはキングだけだ。キングのためでもキングのためでもない。ただキングはキングのために協力してくれるのだ。


 キングの力はキングを上回るほどだ。これほどの助っ人はいない。


「じゃあ……行くか、キング」キングがキングに言う。「俺たちの力、見せつけてやろうぜ」

「ああ……心強いよ。キング、キング……それにキング」

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