第6話

 

 アレクスは意味がわからないと、頭を傾けながら家に帰った。

家に着くと弟たちは遊んでいて、母親が台所で食事の準備をしていた。



「兄ちゃんおかえり~」


「ただいま~。父ちゃんはどこ? 」


「あらおかえり。父ちゃんなら畑で仕事してるよ。どうしたの? 」


「変換器を見せてもらうんだ」


「変換器?あんたまたゲンコツもらいたいのかい? 」


「今日リリアン先生に変換器について教えてもらったから、ちょっと見たいだけだよ」


「そうかい。あんまり仕事の邪魔すんじゃないよ」


「はーい。」と元気よく返事をして父親が居る畑に向かった。

畑は家から少し離れた場所にあり、毎日そこで父親が農作業をしている。



「父ちゃん。ただいま」


「お、アレクスか。おかえり。珍しいな畑に来るなんて。どうした? 」


「んとね。変換器を見せてほしいんだ。今日リリアン先生の授業で教えてもらったんだ」


「そうか。ちょっと待ってろ。……よっと。壊すなよ、大事な物なんだから」


「うん。わかった」


 アレクスは父親から変換器を借りると、興味津々に見ている。

子供のアレクスの手より少し大きくて四角の形をしている。同じ大きさの石よりは軽い。

 


「ねぇ父ちゃん、これ付けるとどうなるの? んーって強くなるの? 」


「そうだな。物を持つ時軽く感じるな。あと疲れもあんまり無いな」


「ふーん。俺も付けていい? 」


「残念ながらダメだ。これは体が成長してからしか、付けちゃダメな決まりなんだ」


「えー、なんで? 」


「先生も言ってただろ。体に負荷がかかるって。体が小さいうちに変換器を使うと身長が伸びなかったり、骨が曲がっちまうらしい。だからダメだ」


 それを聞いたアレクスは付けることはしなかった。「ルナより身長を高くなる。」ついさっき出来た大きな目標が達成できなくなってしまう可能性があるからだ。



「うん、わかった。我慢する。もっとおっきくなってから付けるよ」


「そうか。良い子だ」

 

 そう言ってアレクスの頭をガシガシなでた。頭をグワングワンしながらアレクスは笑って。



「手伝うよ。なんかない? 」


「おっ、そうか助かるよ、ありがとな」


 アレクスは父親の畑仕事を暗くなるまで手伝って、お腹をペコペコにして帰った。

母親が作ってくれたご飯をお腹いっぱい食べて、弟たちと遊び大きくなるように早くベットに入った。

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