アレクスとルナの冒険譚

磧沙木 希信

一章 旅立ちの話

第1話


 闇があった。いつから存在しているのか、どこに続いているのかわからない。


 そこから見たこともない生き物があふれてきた。


 目や口が複数あり、とても攻撃的だった。


 被害がでると、兵士が派遣された。


 その生き物を殺すと不思議なことが起きた。

死体が消えたのだ。そして、見たこともない輝く綺麗な石が落ちていたのだ。


 石を持って帰って権力者に見せると、その美しさに目を奪われた。


 欲しい、もっと欲しい。欲に目が眩んだ権力者たちは調査の命令を出した。


 多くの兵士が派遣され、闇の中へ調査に行った。

 

 しかし帰って来た者はいなかった。

 

 その間にも、生き物は際限なくあふれてきた。数が多すぎるので門を作った。


 闇を封じる門”悪魔の門”を。


 いつからか闇から出てくる生き物を、”悪魔の門から出てくる生き物”魔物と呼ぶようになった。

 門のおかげで魔物の数を調整できるようになり、安定して”魔物からとれる石”魔石を取れるようになった。


 魔石が金になると人が集まってきた。

人が人を呼び、村、町、都市となっていった。


 その栄華は長く続き、誰もが贅沢な暮らしを満喫していた。


 その間にも闇の調査は続けられていた。数多くの調査隊が闇の中に入ったが、誰一人帰って来なかった。

 

 繁栄を極めると思っていたこの都市にも終わりがやってきた。


 悪魔の門が破壊されたのだ。

 

 魔物しかでてこなかった門から”人型の生き物”が出てきたのだ。

最初は調査に入った兵士が帰って来たかと思ったが、明らかに人間を超える体躯を持ち、こちらを攻撃してきた。


 ”悪魔の門から出てきた人型の生き物”魔人とよばれた。


 魔人は圧倒的な力で都市の住人を虐殺していった。


 人間を超える膂力、俊敏性。そして、特殊な攻撃。ある魔人は口から火を吹き、また別の魔人は手から雷を出した。

これは”魔人の特殊な攻撃方法”魔法と呼ばれた。


 都市が滅ぶのに数日しか、かからなかった。残ったのは荒れ果てた都市と破壊された悪魔の門。そして魔人と魔物たちだけだった。

 


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