第12話 エンディング




 死にかけたけど、何とか後遺症もなく退院できてよかった。


 先日、ちょっとした出来事で黄泉の国へ渡りそうになっていたのだが、運が良かったのだろう。


 お世話になった病院を退院できたのだ。


 もしあそこで死んでいたら、未練が残ってしまうの所だった。


 発売された「アニマル・ラッキィ」を買って、さっそくプレイした私は、セーブデータを切って、自分のベッドに寝転ぶ。


 素晴らしいゲームだ。


 とても満足できるクオリティだった。


 動物達は愛くるしいし、登場人物達にもしっかりと感情移入できる。


 ストレス展開は少な目で、子供でもできそう。


 一般受けしそうだなと思った。


 寝ころびながらスマホの画面でレビューを確認すれば、だいたい同じような感想がかかれていた。


 これまででもかなり売れているが、


 きっとこれからもどんどん売れていくだろう。


 たくさんの人が自分の好きなゲームを、同じようにすきになってくれる事が嬉しい。


 そうすれば、離れて暮らす友達や、クラスメイトともきっと、同じゲームで盛り上がれるだろうし。


 けれどかなうならーー


「アニマル・ラッキィ」の世界に入ってみたい。


 眠りに誘われながら、私はそう思った。







 とある女神様はその少女を見て「あ」と声を上げた。


 それは、その神の仕事がずさんだったせいだろう。


 とある出来事で死んだと思っていた少女が実は生きていたのだ。


 まさか死んでいないとは思わなかったのだ。


 神はどうしようかと思ったが、今更どうする事もできなかった。


 魂をコピーして、転生させてしまった後だったからだ。


 これを律儀に上司に報告してしまうと、いつもみたいにヒステリックに喚かれて、残業確定になってしまう。


 だから女神は黙っておくことにしたのだった。



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