第4話 獣使いの里に竜が落ちてきた



 そんな風にアリオと共に里を散歩していると、里の住人達が空を見て騒いでいるのが分かった。


 一体なんだろう。


 騒いでる人の一人。近所のお兄さんーーネイアスさんを見つめてみる。


 彼はこの里の中に響き渡るようなおおごえで、パートナーと一緒に慌てていた。


「まじか、落ちてくるぞ! うわっ大変だ」「うきーっ!」


 落ちてくる、と言いながらも自分が落ちてしまったらしい。


「いててっ」


 屋根で騒いでいた彼は、バランスを崩して真っ逆さまだ。

 慌てて駆け寄る。


 見た所、大した怪我はなさそうだからほっとしたが。


「さっき、空を見てましたけど何があったんですか?」


 すると彼が説明する。


「空から竜が落ちてきたんだ。これはとんでもない事だぞ!」


 慌てて早口だったが、


 何とか理解できた。


 どうやらどこからか飛んできた竜が、この里の近くに落ちたらしい。


 そういえば、彼が屋根から落ちたと同時に、かすかな地響きみたいな音が聞こえてきた。


 私はネイアスさんに方角を聞いて、竜が落ちてきた場所へ向かう事にした。


「竜が落ちてくるなんて、めったにない事だよ。何かあったのかな」

「下に誰かいないといいけど、竜の事も心配だわ」


 会話しながら向かった先には確かに竜がいた。


 そこには大勢の人が集まっていて、その人の壁の向こうに傷ついた竜が倒れていたのだった。


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