　砂噛（さがみ）医院は、皆様の健康な暮らしを支えるため、患者様ひとりひとりに合わせた診察を大切にしています。

　中でも、百八種類の漢方を調合した独自の医薬は島外の医院でも類を見ない試みです。

　葛根、五苓散、柴胡加竜骨牡蛎、威霊仙、青白骨、紫根、鱗姜、女踵草、胡麻、山楂、釣恨鐘、没沖信女などから、患者様の体質に合ったものを選んでいます。

　特に青白骨や鱗姜、女踵草などは島内でしか獲れない貴重な生薬です。

　美尾寺付近に自生する釣恨鐘はお寺の鐘に似ていることから名前がとられました。流木のような茎の形が人魚の木乃伊に似ているとも言われます。

　島民の皆様が生まれ育ったこの土地から栄養をもらった生薬は、必ず良い効果をもたらすでしょう。

　島内の風土病である、緑内障や肌のささくれ、魚のような体臭などにも効果があるとされています。

　処方は釣内（つりうち）姓、砂噛姓問わず皆様に行っております。

(追記)昨今、釣内家の皆様に処方したお薬を捨てるよう呼びかける不審な手紙が届いているようです。

　全くの事実無根です。手紙は捨ててください。

　砂噛豊雄（とよお）

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