第2話 あの頃の事


 

 ……あの頃、どんな話し方をしてましたっけ。

 

 あ、また黙りこくっちゃって。

 何てね、うふふ。


 君と出逢えて、幸せだったよ。

 ホントだよ?


 ……こんな感じ?

 結構恥ずかしい。


 こんなお婆ちゃんがって、笑ってもいいよ?

 今なら許してあげる。



 私、幸せだったよ。

 大好きな君と、ずっとずっと一緒にいれた。


 昔、照れた君が私に言ってくれた言葉覚えてる?


『お爺ちゃんとお婆ちゃんになっても、毎日手を繋いでいたいよね』


 その言葉が嬉しくて泣いた私を見て、君は大慌てしたっけ。


 だって、ホントに嬉しかったんだもん。

 私もそう思ってたから。

 

 ずっと、あの言葉が心の支えだったんだ。


 今も、ほら。

 手を繋いでるよ。


 毎日毎日。

 お爺ちゃんとお婆ちゃんになっても、手を繋いでるよ?


 今日も仲良しさんだね、私達。

 なんちゃって、えへへ。


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