ニュースまとめ

2024年度に賃金改善を計画する企業が6割に上り、賃上げ率は前年度を大きく上回る平均4.16%になったとする調査結果を、帝国データバンクが21日に発表した。


  24年度に正社員の賃金改善が「ある」と見込む企業は59.7%と3年連続で増加し、06年の調査開始以降で最高。「ない」企業は13.9%と最低だった。大企業・中小企業・小規模企業の全てで賃上げを見込む企業の割合が増加しており、中小は6割、小規模でも5割を超えた。前年度調査の賃上げ率は平均2.10%だった。


  日本銀行の植田和男総裁は16日の国会答弁で、マイナス金利解除など金融政策の正常化について、賃金と物価の好循環が強まっていくかを春闘など各種のデータや情報を丹念に分析して判断する考えを表明。中小企業や小規模企業でも賃上げの動きが広がっていることを示した今回の調査は正常化に向けた追い風となりそうだ。


  賃金改善の具体的な内容は、ベースアップによる賃上げが53.6%と過去最高となった前年を上回り、初めて半数を超えた。賃上げの理由としては、人手不足などによる「労働力の定着・確保」が75.3%と最も多かったほか、「物価動向」も51.6%と前回より減少したものの、引き続き半数超となった。


  一方で、賃金が改善しないと答えた企業の中で「物価動向」を要因にあげた企業が17.8%と業績低迷に続いて2番目に多く、物価上昇が賃上げの足かせとなっている状況も示された。


  調査は毎年1月に実施されており、今回は全国1万1431社から有効回答を得た。




[東京 21日 ロイター] - 2024年の春季労使交渉(春闘)が本格化する中、自動車大手のホンダ(7267.T), opens new tabとマツダ(7261.T), opens new tabが21日、組合要求に満額回答した もっと見る 。大手メーカーから早期に前向きな結果が出たことで、中小企業へ波及や他産業の交渉に弾みがつく可能性が指摘されている。

ホンダとマツダは3月13日の指定日を待たず前倒しでの回答だった もっと見る 。24年春闘における主要な産業別組織の賃上げ要求方針は物価高などを背景に23年を上回る要求となっており、「個別企業でも乗り遅れてはいけないという雰囲気が広まると、満額回答が続く可能性がある」(国内証券エコノミスト)との見方が出ていた。

連合がまとめた23年春闘の賃上げ率は3.58%と30年ぶりの高水準だったが、物価上昇に賃金の伸びが追いつかず、実質賃金は昨年12月まで21カ月連続のマイナスとなっている。岸田文雄首相は物価高から国民生活を守り、物価上昇を上回る賃上げを必ず実現するとし、経済界に今年の春闘で昨年を上回る賃上げを強く要請してきた。

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日銀も賃金と物価の好循環を確認し、2%の物価目標達成を見通せるようになったか判断するにあたって、春季労使交渉の状況は「重要なファクターの一つになる」(内田真一副総裁)としている。

今後、注目されるのはトヨタ自動車(7203.T), opens new tabの動向だ。昨年まで2年連続で初回交渉時に満額回答を表明していたが、今年の初回交渉では賃上げに言及しなかった。裾野の広い自動車産業の最大手である同社から前向きな結果が示されれば、業界内外や中小企業の春闘に好影響を与えそうだ。




[香港 21日 ロイター] - 中国のシンクタンク「育媧人口研究智庫」は、同国の養育費が1人当たり国内総生産(GDP)でみて世界有数の高さだとの報告書をまとめた。

18歳までの養育費は1人当たりGDPの約6.3倍。これに対しオーストラリアは2.08倍、フランスは2.24倍、米国は4.11倍、日本は4.26倍。

子育てにより女性の有給労働時間と賃金は減少するが、男性の生活に大きな変化はないという。

報告書は「中国の現在の社会環境は母親に優しいとは言えず、女性が子供を育てる時間的なコストと機会費用が高すぎる」と指摘。「養育費の高さ、女性が家庭と仕事を両立させる難しさといった理由から、中国人の平均的な出産意欲は世界最低に近い」としている。

中国では昨年、2年連続で人口が減少。出生数は2016年の約半分に落ち込んでいる。

報告書によると、0─4歳の子どもを育てる女性は有給労働時間が2106時間減り、6万3000元(8700ドル)の収入を失う。子どもを持つ女性は賃金が12─17%減り、余暇の時間も0─6歳の子供が1人いる女性は12.6時間、2人の場合は14時間減るという。

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報告書は養育費を下げる政策を全国レベルで可能な限り早期に導入すべきだと主張。現金給付や優遇税制、保育サービスの改善、母親と父親の育児休暇平等化、外国人ベビーシッターの活用、柔軟な勤務体制、独身女性と既婚女性の同等な生殖権といった対策を挙げた。

「現在の超低出生率を改善できなければ、中国の人口は急速に減少し、高齢化が進む。そうなればイノベーションや国力全体に深刻な悪影響が出る」としている。



伊藤忠商事グループと企業再生ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)がビッグモーターを買収する方向で最終調整に入ったと、日本経済新聞が21日に報じた。


  報道によると、ビッグモーターを会社分割し、新会社に中古車事業の大半を引き継ぐ。3月に正式に契約し、4月に新体制の発足を目指すという。創業家は新会社の経営に関与しないとしている。


  ビッグモーターは、顧客から自動車修理を依頼された際に、一部の工場長らが故意に新たな傷を付けるなどして、保険金の水増し請求をしていた。買収を機に新体制のもと、経営を立て直すとみられる。


  伊藤忠の岡藤正広会長は1月、買収に向けてデューデリジェンスを進めており、遅くとも3月には結論を出したいと述べていた。


  ブルームバーグの取材に対し、伊藤忠の広報担当者はコメントを控えた。




ENEOSホールディングス(エネオスHD)傘下で再生可能エネルギー事業を手掛けるジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE)は21日、同社の安茂会長を同日付で解任したと発表した。内部通報を受けた調査の結果、安氏によるセクシュアルハラスメント行為があったと判断した。


  発表によると、昨年12月下旬にJREの内部通報窓口に、懇親の場で安氏による不適切な行為があったと匿名の通報があった。同社のコンプライアンス委員会と常勤の監査役が主導する調査の結果、セクハラ行為があったと判断し委任契約解除に踏み切った。


   エネオスHDを巡っては会長グループ最高経営責任者(CEO)を務めていた杉森務氏が不適切行為で22年に辞任し、昨年には社長だった斉藤猛氏が懇親の場において酔った状態で同席していた女性に抱きついていたことが発覚し解任された。新たな不適切行為の発覚でレピュテーション(評判)がさらに低下する恐れがある。


  JREは人権尊重とコンプライアンス徹底の重要性について社内研修などを通じて周知徹底してきたとした上で、「このような行為は許されることではなく、被害を受けた方に深くお詫び申しあげる」とした。エネオスHDは発表文で、同氏が人権尊重・コンプライアンスの徹底に背く行為を行ったことは「極めて遺憾」とコメントした。


  脱炭素化や少子高齢化などに伴い国内の石油需要は減少が続いており、石油元売り各社は再生可能エネルギー関連などの次世代事業の拡大を急いでいる。


  エネオスHDは21年10月にJREを米銀大手ゴールドマン・サックス・グループなどから約2000億円で買収することを発表しており、有価証券報告書によると議決権ベースで95%を保有している。JREのウェブサイトによると、三井住友信託銀行も同社の株式を保有している。



[香港 21日 ロイター] - 香港政府によると、2023年は香港の人口が前年の747万人から3万0500人(0.4%)増加し、750万人となった。

住民の帰郷と居住政策対象者の流入が押し上げ、新型コロナウイルス禍以来の2年連続増となった。

政府は「23年はコロナ禍中に海外にいた住民が多数帰郷。下半期になっても永住者が多数入境した」と説明。「多彩な政策により本土や海外から人々を受け入れ続けたことも奏功した」と指摘した。


[ジャカルタ 21日 ロイター] - インドネシア中央銀行のワルジヨ総裁は21日、投資家向け電話会見で10月に発足するプラボウォ新政権の財政計画について質問され、年間財政赤字がGDP(国内総生産)の3%を超えないことを義務付ける法律があることから、慎重な財政政策運営を維持する可能性が高いと答えた。

また、中銀は独立しており、経済成長を支援するために現政権とも次期政権とも協力すると述べた。


[ヨハネスブルグ 21日 ロイター] - 南アフリカ統計局が21日発表した1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.3%上昇し、前月の5.1%から伸びが拡大した。

食品、住宅、光熱、輸送などが主な押し上げ要因となったが、 ロイター調査のエコノミスト予想(5.4%)を下回った。

食品と燃料価格を除いたコアインフレ率も12月の4.5%から4.7%へ加速した。市場予想は4.5%。

南ア準備銀行(中央銀行)のインフレ目標は3─6%で、この中間付近が望ましいとしている。


[ジャカルタ 21日 ロイター] - インドネシア中央銀行は21日、主要政策金利の7日物リバースレポ金利(IDCBRR=ECI), opens new tabを予想通り6.00%に据え置いた。現在の水準はルピア相場を安定させインフレ率を目標内にとどめる取り組みと整合的との認識を示した。

翌日物の預金ファシリティー金利と貸出ファシリティー金利も据え置いた。政策金利は昨年10月以降、現状維持が続いている。


ワルジヨ中銀総裁は記者会見で、主要金利はインフレを管理するのに十分であり、他の手段は成長を支援することを目的としていると述べた。

中銀は2022年8月から23年10月までに250ベーシスポイント(bp)の利上げを行った。インフレ率は昨年半ば以降、中銀の目標範囲内にとどまっている。

今年の世界経済は米国やインドがけん引役となり、予想よりも力強い伸びが期待されている。しかしワルジヨ氏は「中国の成長鈍化や英国と日本のマイナス成長により、世界の成長見通しが今後低下する可能性がある」との見方を示した。


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総裁は今年下半期に利下げする余地が生じるとの基本シナリオを維持した。

ほぼ横ばいで推移していたルピア相場は中銀の発表を受けて0.1%高となった。

中銀は24年の成長率見通しを4.7─5.5%に据え置いた。

DBSのエコノミスト、ラディカ・ラオ氏は「最近の選挙が安定と政策継続を示す中、中銀は紅海の混乱を含む世界情勢や地政学からの波及リスクに警戒しつつ、しばらく現状を維持する可能性が高い」と述べた。


大統領選結果について質問されたワルジヨ氏は、中銀は法律上政府から独立しており、法律に従って次期政権と協力すると強調した。

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