魔王、勇者「「提案がある…停戦しないか?」」
五平太
第1話魔王、勇者「「停戦がある…停戦しないか?」」
とある平原にて睨み合う勇者と魔王の姿があった
両者は既に限界を迎えていた
「勇者よ…随分と息が上がっているようだな?」
頭からは天を突くような漆黒の角が生えており強靭な人形の肉体と装甲の様な皮膚そして静かに無機質に赫く光る目を持った、一見機械と生物のハイブリッドの様な中二心くすぐられる見た目の姿をした魔王がドスの聞いた声で勇者を嘲笑う
「…それを言う魔王こそ子鹿みたいに足が震えてる」
灰色の髪を腰のあたりまで伸ばし翡翠の瞳を持つ少女、勇者が魔王をその翡翠の瞳で睨みつける
「こ、この私が地震を起こすほどバイブレーションして洪水を起こすほど?ス、スゴイ漏らしているだと?ざ、戯言を!?」
「其処まで言ってない………」
勇者は魔王をジト目で見つめる
「な、なん…だと?」
魔王と勇者はこう言っているが実は両者立っているのも奇跡な程疲弊した状態なのだ。
つまり強がっているだけなのだ。
(なんだこの娘部下からは15歳になったばかりと聞くが?今どきの子は15歳で高速で動き回って龍の鱗より硬い私の装甲を切り裂くのか?可笑しいと思う多分神が調節間違えたに違いない、そうに決まってる、神よ!私は勇者の
(五歳に神様から加護を貰ってから王城に無理矢理やり連れて来られて死ぬ気で鍛錬して魔王に特攻の聖剣で私の方が有利な筈…普通弱点突けたら完封出来る筈……追い詰めたら第2形態とか言う変な姿になって能力も上がって全回復してまた追い詰めたら覚醒して新たな姿になるとか…頭可笑しい……まさか第4形態とか無い筈…無いよね???)
この通りこの戦争の主人公とも言える魔王と勇者は情けない事を考えている
「勇者よッ!次で終わりだッ!!!」
「次で終わるのは魔王」
先程も行ったように立っているのも限界なのだ
(所詮どの時代の魔王も敗れてきた、勇者には魔王は勝てないこれは世界の
(え?まだ魔王動けるの?もう一歩も動けない
……ごめん皆…)
両者心の中で敗北を認める
そして魔王は最後の力を振り絞り勇者に向かって拳を振り上げるだかその恐怖で拳は震え弱々しいモノだった。ゴブリンでもまだマシなパンチを出せるだろう
(もう…拳すら満足に振るえんのか……)
(……ごめん………)
だかその拳は勇者に当たらず魔王はバランスを崩し勇者を押し倒してしまう
魔王は恐る恐る自身が押し倒した勇者を見ると顔を真っ赤にして魔王を睨みつけていた
(あっ終わった)
魔王の脳内に激怒した勇者に細切れにされる映像が再生される中、勇者は押し倒された事に理解が追いつかず混乱している
(押し倒された???魔王に???何で???)
(ユウシャ…コワイ…ユウシャ…コワイ)
先程も行ったように両者は動けない。そこに女性慣れしていない魔王と男慣れしていない勇者が身体をくっつけ合う………追撃と言わんばかりに勇者は絶世の美少女であり魔王のドストライクの見た目なのだ(魔王本人は気付いていない)その為魔王の意識は宇宙へと羽ばたいて行った
(ユウシャイイニオイシテヤワラカイ)
(う?良くみたら魔王の身体ゴツゴツしてて肌心地が良くて……良く鍛えられた筋肉で落ち着く……)
魔王の意識は宇宙の彼方へと羽ばたき勇者は何故か無言で魔王の身体を触っている(勇者は重度の筋肉フェチ)
暫くすると正気を取り戻した二人は何とか距離を取り構えるがお互い既に戦う気力は消え失せていた
「「………………」」
「勇者よ…提案がある」
「奇遇…私も…」
「「提案がある…停戦しないか?」」
この瞬間勇者と魔王の戦いが終わった
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