俳句154:焼き栗は百メートルは風に乗り

焼き栗は百メートルは風に乗り

やきぐりはひゃくめーとるはかぜにのり


季語:焼き栗



 会社の近くにある、天津甘栗の専門店。営業日も時間も不定期な、やっているのを見つければラッキーな店。宝くじが当たり、好きで始めた店という噂だが、誰も真相は知らない。

 それでも潰れることのなく、30年続いている不思議な店。


 ただ営業をしていると、焼き栗の匂いが漂う。この匂いこそが、不定期な気紛れ店主の自信なのだろう。


 今日も店は、真っ暗で休みのようだ。匂いだけが、開店を教えてくれる。

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