カク34:三つ星に小指一つの足らぬ窓

三つ星に小指一つの足らぬ窓

みつぼしにこゆびひとつのたらぬまど


季語:三つ星



 応募作品のテーマは、窓と指。


 窓から、どんな光景が見えるだろう? しかし、その発想は類想の中の王道。そこから、脱凡するにはハードルが高く、トレーニングの近い句。


 まず「窓から何が見えるのか」で、星座とした。ただ全体ではなく、「三つ星」とした。まず、オリオン座の中の三つ星にクローズアップする。そして遠い星に対して、小指一つと具体的な長さを提示。


 最後の下五の「足らぬ窓」で、想像させた「三つ星」を消す。「三つ星」は見えないが、オリオン座の一部は見えている逆転パターンの句。

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